橋本 花菜子
ワクワクする、という感情を心の底から感じた瞬間でした。地元の関西に戻って何か面白いことをやりたいと漠然と考えていたとき、見つけたのが地域おこし協力隊という制度でした。「琵琶湖の中にある有人島・沖島で民泊の管理人を募集」という記事を見つけたときは、「これだ」と胸が高鳴りました。
さっそく沖島を訪問し、協力隊のOGや行政の担当者に話を聞くと、沖島の魅力と課題が見えてきました。湖に囲まれた昔ながらの生活が残る魅力ある地域ですが、人口減少や高齢化、空き家問題に漁業の衰退など問題も山積みでした。もちろん私が全てを解決するのは難しいですが、「この島の未来のために何か力になれれば、私自身も大きく成長できるかもしれない」と思いました。当時勤めていた雑貨メーカーでは、オンラインショップと実店舗の販売管理を担当していました。店舗の運営経験を民泊管理に活かしながら、空き家を活用して新たに雑貨店を始めたい、と協力隊の道を選びました。
1年目は、民泊の補助金事業からの自立に向けて取り組んでいます。HPを一新し、動線改善や情報の拡充を行いました。まだまだ課題は多いですが、2023年8月には営業開始以来最高の売上を達成するなど右肩上がりとなっています。また、雑貨店に関しては、店舗として使える空き家がすぐに見つからないため、オンラインショップから始めようと考えています。島の方々が作った「沖島日和」グッズや、沖島をテーマにした作家の作品やZINEを取り扱う予定で準備を進めています。
もうひとつ取り組みたいと思っている活動は、蚤の市の開催です。不要なものを整理して誰かに受け継いでもらうという行為が、島民が空き家活用について考えるきっかけになるのではないかと考えました。自分にとって「不要なもの」でも、誰かにとっては「必要なもの」かもしれません。空き家も同じで、次に受け継ぐことで新たな価値が生まれます。小さい活動かもしれませんが、古いものにも価値がある、ということを考えてもらいたいという思いで取り組んでいきます。
活動開始当初、とにかく実績を残さねばと焦っていた私に、行政の方が「まずは沖島を知っていくことからですよ」と仰ってくださいました。その言葉は本当に私の助けになり、まずは生活や文化、抱えている問題、それに対して島の人たちがどう考えているのかを知ろうと意識しました。すると、自分にできることや物事の進め方が少しずつ見えてきて、地域活性化のカギは空き家問題の解決にあるのではないか、という考えに至り、活動方針も自然と定まっていきました。まずは沖島を知り、じっくり考える時間を作る、と割り切ったことは今後の活動に必要な時間でした。
2年目、3年目も悩むことや落ち込んだりすると思います。その度に知り・考え続けることが、沖島にもそこに住み続ける私自身にも大切なことだと信じて、活動を続けていきたいです。







