国政刻刻 日韓新時代を迎えて
さる16日、尹(ユン)大統領が、韓国の大統領としては12年ぶりに来日され、岸田首相と会談されました。「元徴用工の訴訟問題」などで悪化した日韓関係を正常化させ、今後さらに発展させることで一致したと記者会見で発表されました。
最も近い隣国であるにも関わらず、近年の日韓関係は最悪の状況が続いてきました。12年に当時の李(イ)大統領が竹島に上陸したことをきっかけに、歴史問題を再燃させる韓国の司法判断が韓国の世論を刺激し、そのことが日本側の反発をさらに大きくすることの繰り返しにより相互不信が積み重なりました。続く朴(パク)、その後任の文(ムン)大統領時代も好転することはありませんでした。そうした観点からすると、元徴用工らへの賠償金の支払いを韓国側の財団が負担する解決策を発表した尹大統領の決断力と姿勢は大いに評価できます。
会談では経済安全保障の分野で対話の枠組みを創設することで一致しました。半導体などの部品産業の供給網を強化することが狙いです。中国に供給網を過度に依存することのリスクを避けて互いに協力することは、日韓両国の経済協力を拡大する契機となることでしょう。また、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを発射して威嚇が続くなか、北朝鮮の脅威のレベルは見過ごすことの出来ないレベルに達しています。両国の防衛当局が意思疎通を密にして情報収集や警戒監視体制を強化するうえにおいても日韓の協力は欠かせません。一方で積み残された課題もあります。日韓合意のもと設立された元慰安婦の支援財団は解散され、世界文化遺産登録を進める佐渡金山に対して韓国が反発しています。それでも日韓の関係が安定することが東アジアの安定につながることは言うまでもありません。相互不信の歴史を乗り越えて、新時代を切り拓くことが両国に求められています。






