みんなで存続する県内最古の図書館
【長浜】 県内に現存する最古の図書館として知られる江北図書館(長浜市木之本町木之本)が昨年12月、講談社の「野間出版文化賞」特別賞を受賞した。同図書館を管理・運営する公益財団法人江北図書館では、受賞にあわせ「江北図書館 120年続くちいさなふるい私設図書館」(編著・同法人岩根卓弘理事長、発行・能美舎)を出版したとともに、老朽化が目立つ施設の建物を改修するための資金を募るクラウドファンディングを始めた。同法人理事らは「先人から受け継いできた地域の宝を次の世代へ伝えていきたい」と述べている。
江北図書館は1902年、東京で活躍していた弁護士の杉野文彌氏が郷里の余呉村中之郷(現・長浜市)に創設した「杉野文庫」が前身。1906年に木之本町へ移転し「財団法人江北図書館」として開館した。現存する私設図書館としては全国で3番目の歴史を有し、木造2階建ての洋風建築の館内には近代を中心に多様なジャンルの書籍を収蔵している。
今回、出版にまつわる優れた表現活動を行った個人・団体などを顕彰することを目的に、2018年から講談社が実施している「野間出版文化賞」で「県内最古の図書館であり、個人が設立して100年以上ものあいだ地域住民が運営を続けてきた、他に類を見ない私設図書館。運営メンバーらが『思いを次世代につなぎ、愛される図書館にしたい』と再生に向けて積極的に取り組んでいる」ことが評価され、特別賞を受賞した。
同理事らは先月、県庁で大杉住子副知事と福永忠克教育長を表敬訪問し、受賞と今後の取り組みなどについて報告した。大杉副知事は「取り組みを機に図書館のファンが増えてほしい」と述べ、福永教育長は「地域の力を感じる図書館だ。子どもたちが読書や図書館に親しめる場所として県全体にネットワークが広がってほしい」と述べた。
表敬訪問後、同理事らは記者会見を開き、改めて、書籍出版とクラウドファンディング実施について記者団に説明した。
今回出版した書籍は、120年間、地域の交流の場、情報発信の場としてあり続けてきた同図書館の魅力について、写真やイラストをふんだんに用いて紹介、「同い年の図書館が気に入った」とする解剖学者の養老孟司氏へのインタビューも掲載している。一冊1980円で県内をはじめ全国の主な書店やインターネット書店で販売している。
また、クラウドファンディングについては、モルタルの柱や木製の床など破損箇所の緊急修繕やトイレを併設した閲覧室新設を目的に目標金額1500万円を募る。募集期間は今年3月10日まで。オール・イン方式で実施し、クラウドファンディングサイト「CAMPFAIRE/GoodMorning」の特設サイト(文末二次元コード参照)から支援できる。支援者には3000円~100万円のプランに応じたリターンを予定している。
岩根理事長は「みんなの力で存続する図書館として、多くの人に知ってもらい、次の世代にもしっかり伝えていきたい」と述べている。








