びわこ学院大 発! 「言葉の持つ力」を伝える
茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王
紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも 大海人皇子
高校生の時にこの句に出会い、わずか三十一文字に凝縮された熱い思いに魅せられ、古典の先生の影響もあって、大学では日本文学を専攻しました。その後、大学院で教育学を学び、数年前にこの句が詠まれた東近江の地にあるびわこ学院大学にご縁あって赴任しました。
現在、所属している短期大学部ライフデザイン学科には、県内外に多くの介護福祉士を輩出している伝統ある健康福祉コース、公務員や一般企業人を輩出しているキャリアデザインコース、四月に五期生を迎えた児童学コースの三つのコースがあります。
私は幼稚園教諭・保育士を養成する「児童学コース」で、教職関係と言葉の科目を担当しています。この四月に卒業した三期生は、十二名が公立園の正規職員、十八名が私立園の正規職員として県内の園へ巣立っていきました。
学生たちは、二年生になると保育所やこども園、幼稚園へ実習に出向き、園でお世話になります。実習を終えた学生たちの成長は、目を見張るものがあります。座学では学べない、実際の子ども達や先生方とのやり取りは、何ものにも代えがたい貴重な体験です。実習を終え大学へ戻った学生たちが口々に話すのは、「子どもへの声掛けの難しさ」です。喧嘩した時やお話しを聞かない子どもへの声掛けなど、日常生活の様々な場面で、学生たちはどのように声を掛けたらいいのか、悩みます。
考えてみると、どのような言葉を掛けるかによって、その後の子どもたちの行動や思いが違ってくることがあります。大人の世界でもそうですが、言葉は人を勇気づける反面、人をひどく傷つけることもあります。もろ刃の剣なのです。普段何気なく発している言葉の持つ力を改めて考え、状況に応じた心のこもった言葉を掛けられるよう、万葉ロマンが展開された歴史あるこの地で学生たちと学んでいきたいと思います。
びわこ学院大学・短期大学部
東近江市布施町29






