国政刻刻 なぜ国産ワクチンは開発できないのか
高齢者に対するワクチン接種が進んでいます。すでに一日当たり100万回の接種目標はクリアされ、この夏にはほぼすべての自治体で高齢者接種が完了することが確実視されています。この先も予定通り各自治体で65歳以下の方々に対する接種や職域接種が進めば、11月頃には希望するすべての対象者にワクチンが2回接種していただけることでしょう。
一方で残念なこともあります。それは皆さんに打っていただいているワクチンはすべて外国製のもので、日本は世界でも十数か国しかない創薬国であるにもかかわらず国産ワクチンの開発に大きく遅れをとったことです。ワクチンの開発には永年に渡る地道な基礎的な研究と巨額の資金が必要となります。アメリカではモデルナ社に対する支援だけでも4000億円を超えているのに対して、日本では新型コロナ対策のワクチン開発支援全体でもわずか600億円しか予算措置されていません。
かつて日本はワクチン開発先進国であったのに、なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。その原因のひとつには約30年前のMMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)ワクチンにおける訴訟で国が損害賠償を命じられたことが挙げられています。他の先進国では予防接種が義務化されているのに、裁判の結果を受けて日本では予防接種は94年に努力義務となりました。こうした日本独特のワクチンに対する国民性が製薬会社をワクチン開発に及び腰にさせているのではないでしょうか。
世界中で人の移動が当たり前の時代となり今世紀に入って今回の新型コロナで新興感染症は3度目の流行です。感染力があり病原性の強いウイルスはこの先も人類を襲うことでしょう。現在、自民党ではこうした反省点を踏まえワクチン研究の専門機関設立の検討を進めています。ワクチン研究と接種の意義にご理解いただけるように努めてまいります。






