県の“お墨付き”の効果は?
【県】 県は先月、県内の飲食店が新型コロナウイルス感染症予防対策を講じていることを認証する「みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度」を始めた。各店舗の感染症対策に県が“お墨付き”を発行することで利用者の安心・信頼を獲得する制度で、コロナ禍で大きな影響を受けている飲食店を支援する事業としても関心が高まる一方、実効性を懸念する声もあがっている。(羽原仁志)
県の飲食店認証制度が稼働
実効性を持たせられるか懸念する声も
◆認証制度とは
同制度は、今年度県議会4月招集会議で1億400万円の補正予算案が認められ、事業として始められた。
各店舗が「来店客の手指消毒確認」や「テーブル間の距離1m以上確保」など、県が細部まで定めた22のチェック項目すべてを実施した上で、県の現地調査を受けて合格すると「安心・安全店舗」として県から認証され、背景に琵琶湖が描かれた直径14cmの認証シール(画像参照)が発行される。また、認証された店舗は県ホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/)上で公表される。
5月10日から大津市内の飲食店を対象に先行実施され、20日からは全県的に募集が始まった。同制度を導入した「れすとらん松喜屋」(大津市唐橋町)では「各対策を細かく定めてくれたのでお客さんに対策を案内しやすくなった」と喜ぶ。
一方、「咳など風邪の症状がある客は利用しないよう掲示などで案内」などの項目もあり、「今後、店内で咳などが聞こえた際、チェック項目通りにお客さんにその場で帰ってもらうのは難しい」と心配する意見もある。
◆宣言書との併用
さらに、県が昨年から発行している「感染症予防対策実施宣言書」との違いが不明瞭な点にも指摘がある。
同宣言書は、県の「もしもの時のサポートシステム」(もしサポ滋賀)を導入した店舗に県が配布しているもので、店舗側が自主的に感染症対策に取り組んでいることを来客などに発信するために掲示できる。県は「店側が対策をとっていることを示す『宣言書』と、県が定めた対策を講じていることへの『認証』は異なる。併用してほしい」と説明するが、宣言書も県が配布している以上、明確に区別することが難しい。
そもそも、「もしサポ滋賀」導入は同認証取得の前提となっているが、「来店時に毎回、スマートフォンのLINEアプリからコードを読み込む手間をお客さんの何人が実行しているかは疑問」とする意見もある。
このほど、定例記者会見で認証制度についての質問に答えた三日月大造知事は「これで一定、感染対策を底上げしていきたい」と述べた。
県の“お墨付き”を形骸化させず、実効性を持たせるためにも、より県民が仕組みについて知り、積極的に利用するような啓発が今後の重要な課題となる。







