国政刻刻 「ウッドショック」について ピンチをチャンスに
アメリカでは新型コロナの影響により在宅勤務が急速に普及したことから郊外における住宅需要が急増しています。またいち早く新型コロナを克服した中国でも住宅市場が活況なために世界の木材需給バランスが崩れ、価格高騰に歯止めがかからない状況にあります。その結果、日本では輸入材が手に入らず住宅建築に大きな影響が出始めており、こうした深刻化した木材が不足する状況を関係者の間では「ウッドショック」と呼んでいます。
それなら「国産材にすればよいのでは」とは誰もが考えることですが、ことはそれほど単純ではありません。昭和40年以降の木材輸入自由化により価格競争力を失った国内の林業は衰退してしまいました。結果的に現在の日本は木材供給の6割を輸入に頼っている状況にあります。そして何より木材というものは需要があるからといって簡単に供給を増やせるものではないのです。山から木を伐りだすためには専門の人材が必要となりますが、高齢化と衰退が進んだ林業の世界ではそれもままなりません。さらに木は伐ったからすぐに商用木材として使えるものではなく、まず乾燥させなければなりません。この乾燥という作業には一定の時間がかかるうえに乾燥機の数にも限りがあるために、急には供給量を増やすことができないのです。
それでも国産材市場にとっては大きなチャンスが到来しています。輸入材が不足しているために国産材の需要が急激に増えているのです。戦後大量に植林した杉やヒノキは今後10年以内に伐採して利用しなければその価値を失います。何としても皆伐して再造林し美田ならぬ美山を子孫に残さなければなりません。ピンチはチャンス、今回の「ウッドショック」を契機に国産材の利活用が進むことで山が資源として見直され、環境保全と林業再生の両面で地方創生の起爆剤となるように努めます。






