県政NOW 「滋賀県の治水政策について(3)」
先の2月定例県議会でチームしがと自民党が提案した河川政策の推進を求める二つの決議案が激しい議員間討論を経てそれぞれ賛成多数で可決されました。県民の皆さんから見ればなぜ一つにまとめられないのかと思われるかもしれませんが、我々チームしがの決議案は総合的な流域治水の取り組みを加速させるものであり、自民党の決議案は大戸川ダムの早期着工を求めるものです。
振り返ると嘉田由紀子前滋賀県知事や橋下徹元大阪府知事など淀川水系の4府県知事合意に基づき、大戸川ダムの建設凍結を含めた現在の淀川水系河川整備計画が策定されて10年以上が経過しました。この時の関連議案の審査では大戸川ダムの建設推進を主張する自民党県議団と4府県知事合意を支持する当時の民主党・県民ネットワークなどの会派間で大きく対立し、前代未聞の流会となるなど激しい議論がありました。
その後大戸川の河川改修は数十億円をかけて実施され、滋賀県では今も流域治水条例に基づき川の中の対策のみならず川の外の対策も総合的に進める流域治水政策が進められています。
そして、国でもこうした滋賀県の取り組みと同様に水防災に対応したまちづくりや安全な住まい方の工夫等の対策を国や流域自治体などが協働して取り組むことをめざすためのいわゆる「流域治水関連法案」が審議されています。
しかし、日本全国で気候変動による集中豪雨が多発する中、4府県知事がすべて交代したということもあって再び大戸川ダムの建設推進の動きが活発化してきました。そして、国交省でも大戸川ダム建設推進を含む淀川水系河川整備計画変更案の策定が進められています。
2月定例県議会の両会派の激論の背景がここにあります。わが会派はすべてのダムの効果を否定するものではありませんが、多額の建設費をかけて大戸川ダムを建設するより、当面進めるべきはやはり天ケ瀬の再開発や中下流の改修であり、また国が新たに示した利水ダムを活用した事前放流の拡大を進めるべきだと考えています。関西電力が揚水式水力発電をしている喜撰山ダムの活用もその一つだと思います。
確かに世界中で100年や200年に一度というような大水害が発生していますが、いくら新たなダムを建設してもこうした自然の力には対応できません。むしろ老朽化していくコンクリートのダムを今後どうするのかという大きな課題があります。今私たちが進めるべき政策は国をはじめ、あらゆる関係者と連携してハード、ソフト両面での総合的な流域治水の取り組みを加速させ、住民の生命と財産を守る治水・河川政策です。これからもこの立場を守って県議会で治水政策の議論をしていきます。






