変異株で第4波の危機 宣言解除でリバウンドの恐れ
【全県】 吉村洋文・大阪府知事らの要請を受け、政府は10都府県で発令中であった新型コロナウイルス緊急事態宣言について、関西3府県を含む6府県を1日から先行解除した。県内の若手医師の間では「このはね返り(リバウンド)で感染拡大し、滋賀県で感染者が1日40人で、10日連続発生すれば、完全なる医療崩壊が起こる」と囁(ささや)かれている。そこで各病院のトップに医療崩壊寸前に陥った先の年末年始を振り返ってもらい、第4波襲来問題を追った。(石川政実)
もともと滋賀県の病床数は少ないのに、コロナ病床に次々と転用され、そこへ看護師をはじめ多くのスタッフが回されて、救急救命を行う一般病床も逼迫(ひっぱく)している。
三木恒治院長
●看護師配置に苦慮
済生会滋賀県病院(栗東市)は、急患や重症者に対する治療や手術を24時間体制で行う「急性期病院」であり、救急搬送は必ず受け入れているという。
三木恒治院長は「12月は急性期の患者が激増し、一時は満床近くになった。そこへ県から同月下旬にコロナ専用の増床要請があり、急きょ4床増やし計10床にした。一番大変だったのは一般病棟の看護師をコロナ対応に回すと、その病棟に負担がかかることだった。なんとか1月下旬には山を越えた。先週から当院も医療従事者にコロナワクチン接種を始めているが、引き続き警戒は必要である」と見ている。
宮下浩明院長
●救命救急に支障も
同じく急性期医療を行う近江八幡市立総合医療センター(同市)も、県から増床要請を受けて1月4日、コロナ病床を8床増やし計12床にした。このため一般病床43床をコロナ病床に転用した。
宮下浩明院長は「当センターは407床だが、コロナ病床に充当した43病床はその約1割にあたる。それまでの病床稼働率は90%と高かったが、そこに約1割の病床がなくなれば、満床状況は避けられない。事実、年明けには救命救急の受け入れが出来ず、他の病院に回ってもらうこともあった。感染者が落ち着いた今、コロナ用の増床分を一般病床に戻してほしいと県に要請している」と述べた。
しかし、県はリバウンドを警戒して、コロナ病床削減には慎重だ。
生田邦夫・湖南市長
●高い陽性率の疑問
医療法人社団美松会理事長でもある生田邦夫・湖南市長は「3府県の宣言解除のリバウンドは避けられない。神戸市が調査している変異株の割合が日ごとに増加しているのもその要因の一つだ。最近、気になるのが厚労省の2月26日更新の都道府県医療提供体制の状況で、滋賀県の陽性率が6・6%と全国でトップになったこと。もともと滋賀県は、クラスターが発生した際、感染者の周囲と濃厚接触者などに絞ってPCR検査などを行ってきただけに、無症状者などを見過ごした可能性もあり、変異株による感染拡大の素地は十分にある」と警鐘を鳴らす。









