自治刻刻 まちづくりに想(おも)う ~ むかし話が教えてくれるもの ~
わが町の図書館に「竜王町のコーナー」があります。今回、多くの資料や本の中で私の目を惹(ひ)き付けた本の名は、「竜王町のむかし話」。刊行は昭和55年とありました。今から40年前の「むかし話」ですから、100年ほど前には既に語られていた話なのかと、好奇心もあってページを開くと、町や滋賀県に伝わる24編の民話の他に里唄や方言が収録されていました。
ご年配の方なら、多分1つ2つは覚えのあるお話が載っているのでは?幼い頃、祖母や母の膝まくらで聞いたお話の色々。それらは、今もなお心の中に大切に残されているのではないでしょうか。慌ただしく過ぎる月日の中で、普段は思い起こすことなく記憶の片隅に眠っているのかも知れません。一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。歳月を経て、新しい気付きがあるかも知れません。
日々、私たちは日進月歩のイノベーションに追いつくことに目を奪われがちですが、古くから伝わるものの中に新しい発見やこれからの道標(みちしるべ)が見つかることもあると思います。
今、町では未来に向け持続可能なまちづくりをどう描くかコンパクトシティ化構想の具現化に向けて推進中です。アフターコロナの時代にも「いつまでも住み続けたい町」を実現するために、既成概念に囚(とら)われることなく時代の風を読みながら斬新な切り口や考え方が必要だと思っています。反面、古(いにしえ)からの教えに学ぶことも大切だとも考えます。
私たちが進めるまちづくりは、子ども達が成人し主人公となる舞台を作る作業だといえます。その舞台を華やかに彩り豊かに舞うのは今の子ども達です。齢を重ね、彼らがその歩みを振り返る時、「竜王に生まれ育ち、住み続けて良かった」と思ってくれることが私たちの楽しみです。そして、幼かった頃の、つまり「今の竜王の魅力」を次世代に伝えてくれることで、更なる新しいまちづくりへとつないでいけばと願っています。
“「温故知新」古きを訪ねて新しきを知る。”大切にしたい言葉です。先人の知恵がこれからのまちづくりに示唆を与えてくれると思うからです。あたかも、むかし話が新しい気付きを与えてくれるように。






