中世から近代までの55人の画業を紹介
【全県】 美術史家で県立近代美術館館長や県立琵琶湖文化館館長、彦根城博物館館長などを歴任した石丸正運氏が編者となり、県にゆかりのある画家55人の代表作と事績を集成した書籍「近江の画人 海北友松から小倉遊亀まで」(サンライズ出版)が今月、発刊された。
石丸氏は1980年に、滋賀の画人34人に関する研究の成果を新聞連載で紹介し、それらをまとめた書籍「近江の画人(えかき)たち」(サンブライト出版)を刊行した。その後、追加の研究でさらに深めることができた作家や連載時に掲載できなかった作家をどこかで発表できればと構想していたところ、県内の若い研究者らが改めて協力して出版することを提案し、今回の発刊にこぎつけた。
執筆者は石丸氏のほか、文化財キュレーターの井上ひろ美氏、県立近代美術館学芸員の大原由佳子氏、大谷大学文学部の國賀由美子教授、彦根城博物館学芸員の高木文恵氏、長浜曳山博物館学芸員の森岡榮一氏、県立近代美術館主任学芸員の山口真由香氏が務めた。
内容は、戦国時代に浅井氏の臣下から独特の世界観を描くようになった海北友松や、江戸時代に作品を残し、「日野画壇の祖」とも称される高田敬輔、近代以降の画家に大きな影響を与えた大津市出身の山元春挙など、中近世から近代までの作家55人について、全編カラーで作品を取り上げながら、その経歴や画業などを分かりやすく解説している。
このほど、出版したことについて、石丸氏とサンライズ出版の岩根順子社長が県庁で記者会見を開いた。岩根社長は「本書はサンライズ出版創業90周年記念出版としても位置付けている」とし「書籍を通じて、近江画壇の層の厚さが伝われば」と期待を語った。
石丸氏は「ここまで県ゆかりの画家を網羅した書籍は他にない。作品鑑賞や今後の研究の手引きとして活用してもらいたい」と述べている。
同書は、B5変形判、フルカラー。5280円(税込)で全国の主な書店やインターネット書店で販売中。書籍に関する問い合わせは平日にサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。







