納得した医療を受けられているか?
【全県】 県内で活動しているがん患者団体などで構成する滋賀県がん患者団体連絡協議会と県が連携し、このほど、患者自身の思いを取りまとめた「2019年度滋賀県がん患者アンケート調査結果報告」を発行した。がん患者の多岐に渡る本音を県が民間団体と協力してまとめたのは今回が初となる。
同調査は、県が「滋賀県がん対策推進計画」を2008年に策定し、18年からその第3期計画がスタートしたことを受け、がん患者自身が納得した医療や支援が受けられ、自分らしく暮らせているかということを知らないと、がん対策がうまくいっているのかわからないという考えに基づき、県内がん対策の今の姿を知り、県民のがんへの関心と理解を深めることを目的に、19年10~11月の2か月間かけて、県内13か所のがん指定病院の協力を得て行われた。アンケートの実配布数は1853枚で回収数は950件(回収率51・3%)となった。
同報告によると、「納得して医療を受けている」と9割以上の人が回答している一方、治療中に他の医師の意見を受けられるセカンドオピニオンについて担当医から説明があったかに対しては、「説明があったが、受けていない」が40・7%、「説明はなかった」が34・7%、「説明はなかったが、質問して受けた」が4・4%という結果となり、現場の対応が行き届いていないことも分かった(表参照)。また、がん患者が将来、妊娠・出産をするため、治療が始まる前に受精卵や卵子・精子などを採取し、凍結保存する「妊孕(にんよう)性の温存」についても42・7%が「説明はなかった」と回答しており、同協議会では「情報提供のための施策に効果が出ていない」と分析している。
同協議会では「がん医療は様々な数値を元に進められるが、患者自身の気持ちや満足度は数値化することが難しい」とし、同報告書を「今後の施策の基礎資料として生かす」としている。さらに、「新型コロナウイルス感染症で人との接触機会が限られたことで患者にどのような影響があったかを知ることもがん医療の新しいテーマ。推進計画の次の段階に向け、これからも調査を継続していきたい」としている。
同報告書は同協議会のホームページ「滋賀がん患者.com」(https://www.cancer-patients.shiga.jp/)で閲覧できるほか、随時、県内の図書館や医療機関にも配布される。







