県政NOW 「災害から命を守るために」
10月25日から関東や東北では台風21号や低気圧の影響で記録的な豪雨に見舞われ、多くの人命が奪われました。今回の台風21号は上陸する進路ではなかったので、油断したすきを突かれたような悲劇でした。これまで車による避難は比較的安心と思われていたかもしれませんが、今回の水害では冠水した道路で車が水没したり、車ごと流されて死亡する「車中死」によって多くの方々が亡くなられたというのが特徴です。かつて近江八幡市でも避難勧告後に多くの市民が自動車で避難したため、真夜中に大渋滞したという経験をしたことがあります。今回の水害では立ち往生した車の後ろで停車している間に水位が上がり浸水し、逃げ遅れて死亡したケースもあったようです。
JAF(日本自動車連盟)のホームページを見ると浸水深が10センチまでは走行に問題はありませんが、30センチに近づくとブレーキ性能が低下し、50センチに近づくとエンジンが停止して、車から脱出しなければなりません。そして50センチを超えると車が浮き、また、パワーウインドウが作動せず、車に閉じ込められるなど危険な状態になるそうです。
台風19号による河川の氾濫時にはハザードマップで浸水が予測された地域で逃げ遅れたりして尊い命が奪われましたが、車中死も同様に予測が可能なのに命を守れなかったことが残念でなりません。こうした事態は滋賀県を含めてどの地域でも起こる可能性があります。滋賀県流域治水条例はまさにこうした水害から命を守るために施行された条例です。専門家から自宅周辺で浸水が始まっているときは2階などへ逃れる垂直避難が基本と言われていますが、流域治水条例で一定の地域において土地のかさ上げの財政支援を規定しているのはまさにこういう理由からだと思います。
こうしたリスクを回避して災害から命を守るためには一人一人が災害時の自分の行動を想定しておくとともに、市町や県が指導して少なくとも自治会単位で図上訓練のワークショップなどをしておく必要があると思います。災害時には市民全員に避難勧告が出されることもありますが、地域や時間帯によっては自宅の2階に垂直避難するほうが有効な場合もあります。正しい情報提供に基づき行動し、確実に命を守る体制づくりのためこれからも取り組んで参ります。






