自治刻刻 『自宅で最期まで暮らすことができるまち・竜王町』
國森康弘さんという写真家・フォトジャーナリストの作品に、92歳のおばあさんが小学生のひ孫に見守られて亡くなられる様子をまとめた写真絵本があります。家族やなじみの人に囲まれて静かに逝くその女性の安らかなお顔とおばあさんの手を握り続ける女の子の横顔がとても印象的です。
2025年、後期高齢者と言われる75歳以上の人口は、現在の1・5倍になると言われています。そこから、多死社会が始まります。病院の病床数は増えない、介護老人施設の数も限られてくる。そうなると、おのずと自宅で最期を過ごす方が増えることになります。それは、ある意味、人として、とても幸せなことかもしれません。
しかし、住み慣れた自宅で最期まで暮らし続けるためには、それをしっかりと支えてくれる家族はもちろんですが、医師、看護師、ケアマネジャー、薬剤師などの多職種の医療専門家の支えがないと実現できません。我が町竜王町には、弓削メディカルクリニックという診療所があります。弓削メディカルクリニックでは日本のプライマリ・ケアの先駆者である雨森正記院長を中心に複数の医師、多職種による連携を行って在宅医療、在宅での看取りを行っていただいています。また「家庭医・総合診療医」を養成する施設として竜王町の名を全国に広めていただいています。プライマリ・ケアとは、何でも相談にのってもらえる総合的な医療のことで、昔で言う「町医者」を現代にあったレベルの高い専門家として養成したものが「家庭医」「総合診療医」と呼ばれ、来年度から「総合診療専門医」として国内での養成が正式に始まると伺っています。
これから一人ひとりの健康寿命をのばすためにも、健康づくりとともに、身近なところで何でも診ていただける総合診療専門医と医療チームによる訪問診療が求められています。日々の往診を惜しまず、多くの若い後継者を養成して全国に送り出しておられる雨森院長に感謝し、町としても誰もが住み慣れたこの故郷で暮らし続けていけるよう、その環境づくりを支援して参りたいと思います。






