県政NOW 「滋賀県公契約条例制定に向けて。」
滋賀県議会では平成21年1月臨時会において公契約に関する基本法の制定を求める意見書が可決され、良質な公共サービスの安定的供給とその事業に従事する者の労働条件の改善、並びに職場の安全確保のため、公契約基本法を早期に制定することなどを国に求めています。しかし、地方自治体が発注者となる公共工事や業務委託などの公共調達の現場ではダンピング受注が横行し、その結果、そこで働く人は低賃金を強いられ、建設業界では若い人の就職が減少しています。国土交通省もこのままではインフラ整備や災害対策に支障が出るのではないかと危惧し、建設業団体や公共発注者などに対して「技能労働者への適切な賃金水準の確保にかかる要請」をされています。
公共工事請負や指定管理者を含む業務委託請負における低価格入札などはそこで従事するものの労働条件の悪化、建設事業者の廃業や建設労働者の失業、また、非正規雇用の増加などをもたらし、公共サービス提供にも多大な影響を及ぼします。こうしたことを防ぐために千葉県野田市をはじめ多くの自治体で公契約条例が制定されています。この条例は自治体発注の業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保するため、支払われるべき賃金の最低額を規定しており、遵守しない事業者は契約解除されることもあります。こうした取り組みが民間発注にも波及すれば今年1月に発生した前途有望な多くの若者の命が奪われた長野県のバス事故のように不法に安い料金で受注し、安全を軽視する事業者を市場から追い出すことができます。こうした悲劇を二度と繰り返さないためにもまずは公共現場からの改革が必要です。
労働者派遣法の改正などにより労働法制が大きく後退する中で、ディーセントワーク、つまり働きがいのある人間らしい仕事が減少し、地域経済に対しても悪影響を及ぼしています。賃金上昇による消費拡大がなければいくら公共投資をしても国民総生産を押し上げることはできません。住民サービスの向上や働くことを軸とした安心社会の実現、そして、建設労働者や介護現場などで働く人たちの処遇改善をするなど、社会全体の底上げ、底支えが必要です。
滋賀県においても研究会等を立ち上げ、公契約条例制定に向けて本格的な議論を始めるべきだと思います。






