2015年東近江大凧まつり
◇東近江
先月三十一日に東近江市栗見新田町のふれあい運動公園で開催された「2015年東近江大凧まつり」で、百畳敷東近江大凧「縁あって繋がる」が観客の上に落ち、一人が意識不明の重体、三人が重軽傷を負った。まつりは途中から、中止となった。
凧にとって絶好の風は引き手の力を借りることなく、重量二百キロの百畳大凧をフワリと浮き上がらせ、約二百メートルの高さまで上昇、ピタリと停止させた。誰もが東近江市制十周年を祝う大飛揚を確信した。
ところが、大凧が左右に揺れはじめ、その姿勢を立て直すことなく墜落、観客の中へ墜落した。ロープを入れると約七百キロにもなる衝撃の大きさは、グラウンドの金属製ポール(野球用)を根元から曲げるほどだった。また、飛揚の際には、ロープを固定(アンカー)していたピックアップ車(四輪駆動トラック型乗用車)が引きずられ、タイヤが浮き上がり、慌てて引き手が結集して押さえ込む場面もあった。
大凧は、観客の立ち入りが制限されたロープより数メートル観客側に落下した。東近江警察署同日午後四時五十一分発表によると、大阪府堺市から見物に来ていた吉井淳一さん(73)が意識不明の重体(市発表では重傷)のほか、愛荘町の男性(78)がろっ骨骨折の重傷(同中等傷)、大阪府枚方市の男性(62)が腰などに擦り傷、京都府宇治市の男児(7)が手首と足を打撲のそれぞれ軽傷(同軽傷)で、病院に運ばれた。
同まつり実行委員会会長の小椋正清市長は同日夜の記者会見で「負傷者とその御家族、まつりを楽しみに来場してくださった全国の方々や市民に、深くお詫びを申し上げたい。負傷者の一日も早い回復を心から願います」と謝罪し、事故については「観客についての安全確保のための規制措置は十分確保したつもりだったが、予想をはるかに超える地点に落下してしまった。重大な事故が起きてしまった以上、安全対策が不十分だったのでないかと言わざるを得ない。負傷された方へは真摯に対応したい」と述べた。
東近江大凧保存会の中村章副会長は事故の原因について、観客の安全誘導が間に合わなかったことと、凧の裏に風が回り凧が失速したためと説明した。さらに記者の質問に答え、飛揚前に行った骨の補修がバランスに影響したことや、以前のダンプカーやブルドーザーといった重機(機動性がない)に比べ今回のアンカーは軽く草地・砂地だったために十メートルほど前へスリップしたことがなければ観客側に落ちていなかっただろうとの見解も付け加えた。(松村好浩)







