5千人収容アリーナへの税金投入の是非(下)
バスケットボール男子新リーグの一部参入条件である五千席規模のホームアリーナの確保について、男子プロバスケットボール・bjリーグの滋賀レイクスターズから整備を求められ、県と草津市は六月末をめどに、同市市民体育館(同市野村町)の財源問題について協議を急ピッチで進めている。このため、同市の財政の硬直化が深まっている。(高山周治)
当初見込み建築費33億円が
5千人収容なら約70億~75億円に膨らむ
同体育館の建て替えは、中心市街地活性化を掲げる橋川渉市長の重点施策のひとつだ。しかし、ごみ焼却施設であるクリーンセンターの更新など大型事業が相次ぐ同市の財政にさほど余裕はない。
市の財政指標をみると、平成二十五年度で、収入に対する借金返済の割合を示す実質公債比率は三・一%と、県内市平均九・九%と比べて良好だ。
しかし、一般家庭のエンゲル係数にあたる経常収支比率(収入に占める人件費や扶助費、公債費など固定費の割合)は八九・一%(県内市平均八七・一%)と、近年の相次ぐ大型事業で財政構造の硬直化の目安である九〇%以上の一歩手前となっている。
このような中、同市がまとめた市民体育館の基本設計は、観客席約三千人で、建築費は当初の約三十三億円からなぜか積算ミスで約二十億円増の約五十五億円に修正された。
しかし、これではバスケットボール男子新リーグの一部参入条件の五千席には二千席足りず、滋賀レイクスの求めに応じて設計を変更すれば建築費だけで約十五億~二十億円増の七十億~七十五億円に膨らむ。これに加えて、用地費約二十二億円が別にかかる。
国の交付金補助率は、建築費に対して四五%。しかし、市の担当者は「国から現在認められているのは、当初の見積りの三十三億円に対してだ。設計変更に伴う要望を改めて行ったとしても、これだけ建築費が大幅に増額していれば、満額交付は保障できない」と、頭を抱える。
ちなみに、五千席のホームアリーナ確保がバスケットボール男子新リーグ(一部)への参入条件となっているのに対して、滋賀レイクスターズの一試合当たりの平均観客動員数(二〇一三~二〇一四年シーズン)はわずか千六百十六人に過ぎなかった。 (連載終わり)








