滋賀県議会議員 小寺 ひろお
一般消費者の皆さんはご存じないかもしれませんが、今年の新米の買い取り価格が例年にない安値となっており、農家の皆さんは来年以降、米作りが続けていけるのかとても心配しておられます。
「安く買えておいしく食べられるなら」と歓迎される方もおられるかもしれませんが、問題はそれほど単純ではありません。
今年の概算金が安い理由には東日本での豊作や、そもそも日本全体で米の需要と供給のバランスが崩れていることなどがありますが、米の価格を一定に保つために政府が毎年余ったお米を買い取る仕組み(過剰米対策)を今年からやめたことにあります。さらに追い打ちをかけたのが8月下旬からの天候の不順でした。今年の作況は「やや不良」となり、一等米の比率も悪く農家の皆さんにはダブルパンチとなっています。
こうした時期に政府では、これからの米作りは一定の規模以上で経営される地域の営農組織やプロの個人農家に集約し規模を拡大することにより、生産コストを下げて競争力のある農業への転換を進める政策を、平成30年を目途に計画的に進めています。
しかしながら現在の滋賀県では、水田農業に集中して取り組んできたことが裏目に出て、米の買い取り価格が今年のように一気に下がってしまうと、計画的に進めてきた農村集落を中心とする経営改革が、崩壊する恐れが出てくるのではと心配しています。
東近江地域は滋賀県の農業生産の3分の1を担う最大の農業地域であり、米作りができないということは農村の崩壊につながります。農地が荒れると環境や防災面で問題が発生しますし、農村が崩壊すれば伝統文化の継承はおろか、教育や福祉の分野で多大な行政コストがかかり、東近江市は危機に瀕することになるでしょう。
そこで今一般の消費者である私たちにできることは、地産地消をさらに推し進めることではないでしょうか。野菜や果物はもちろんのこと、近江牛は高いのですこし大変ですが、お米も地元のお米を食べていただきたいのです。比較的災害の少ない豊かな環境や、夏にはホタル、秋には赤とんぼが飛ぶのは田んぼのおかげということに、もう少し私たちは感謝の気持ちを抱いてもよいのではないでしょうか。私自身これからも、食べ過ぎない程度にいただくつもりです。






