日野町長 藤澤 直広
NHKの連続テレビ小説「花子とアン」が好評です。時は明治時代。主人公の花子は、甲府の貧しい小作農の長女。花子は本を読むのが大好きで父親の勧めで東京のキリスト教系の女学校に入学。「上流階級」のお嬢さん達と勉学に励み明るく前を向いて生きる姿に好感を覚えます。当時、子どもも「労働力」で家事、畑仕事などで学校にも満足にいけません。花子も妹を背中におんぶして小学校に。小作農にとって勉強は不要で、特に女性が勉強することは「結婚の妨げ」とまで言われていました。地主は大きな力をもち、小作は重い年貢で貧しい生活を強いられていました。花子の東京での生活と甲府の実家の生活は「月とスッポン」。今、富岡製糸場が世界遺産で注目されていますが、花子の妹は10代で製糸工場の女工に。女工の過酷な労働条件は「女工哀史」や「あゝ野麦峠」に描かれていますが欧米列強に追いつけ追い越せの時代の「現実」です。
ところで、5月1日はメーデー。1886年アメリカで労働組合が8時間労働制を要求してストライキを行ったのが起源。スローガンは「8時間は仕事のために、8時間は休息のために、8時間は自分のために」。ちなみに日本で初めてのストライキは製糸工場で行われたと言われています。
今、政府の産業競争力会議は「残業代ゼロ」「正社員ゼロ、生涯ハケン」など労働法制の「改正」を「成長戦略」に盛り込もうとしています。近代の歴史は、人が人として尊厳される社会を築くための歴史でした。憲法には「基本的人権は人類の多年わたる自由獲得の努力の成果・・・過去幾多の試練に堪へ・・・侵すことのできない永久の権利・・・」(97条)、「国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」(12条)とあります。明治維新、富国強兵、大正デモクラシー、軍国主義、敗戦、日本国憲法制定、民主主義、3・11・・・。歴史を逆戻りさせることなく誰もが幸せになる社会をつくるために力を合わせましょう。






