竜王町長 竹山 秀雄
昨年の12月17日に福島県新地町と本町の間で、災害時の相互応援協定を結ばせていただきました。新地町とは東日本大震災時の支援以来ずっと交流を続けおります。昨年は本町の民生委員の皆さんが新地町を訪ね、また新地町の小学生を本町へ迎えました。協定調印式には新地町長にお越しいただき、その場で「尚英中学校256の軌跡 ~2011.3.11東日本大震災体験記~」の一冊の文集を頂戴いたしました。新地町立尚英中学校の全校生徒256名が、2011.3.11午後2時46分に起った大震災と津波そして原発災害を自分の言葉で綴った文集でした。発災後3ヶ月経過した6月に校長先生が生徒たちに“どんな内容でも良いから自分が伝えたいことを書いてみよう”とよびかけられ、学習会を重ねられた結果、全校生徒256名が全員筆を執っての一冊になったと伺いました。私は“これを読むのは辛いだろうな”と思いながら頁をめくるうちに、言葉に表せないような経験をした子ども達の心の移り変わりが、伝わってまいり胸が痛むばかりでありました。中学一年生のある女子生徒の体験記にはこのような内容がつづられていました。新地の中学校へ転校して間もないクラスの1人が津波で亡くなり、1ヶ月遅れての卒業式では、かわりに担任の先生が卒業証書を受けられ、空席になった椅子にそっと置かれた時、先生も生徒も涙が止らなかったそうです。そして“何故もっと話しかけてあげなかったのか、やさしく接してあげなかったのか自分が悔やまれます”と結んでありました。
3.11のことは思い出したくない、こころの中に仕舞っておきたい生徒もたくさんいたでしょうし、そのような中で全校生徒が書き上げた“256の軌跡”を読ませていただいた私にはまさに「奇跡」とも言える思いになりました。今、本町が取り組んでいる防災計画に取り入れねばならないことも数多く、この文集から学ばせていただきました。256名の生徒の将来に幸多かれと祈っています。






