能登川病院経営検討委員会が終結
◇東近江
東近江市立能登川病院経営検討委員会(委員長=中村喜久生・東近江医師会会長)の「第五回会合」がこのほど、東近江市能登川保健センター二階研修室で開かれ、一つの区切りとして委員会の終結が決まった。【櫻井順子】
今回の会合では、能登川病院経営改善目標に対する九月末現在の実績・評価が示された。眼科の嘱託医師と整形外科の常勤医師の確保で外来収益が目標値を上回ったものの、大学医局の人事異動による内科の常勤医師(一人)退職が入院収益に影を落とした。
具体的には、十月現在で内科の入院患者数が昨年と比べて千三百十九人減、単純計算で三千六百万円の減収になるという。今年四月から九月までの損益計算に基づく収支は、純利益六千七百八万円の黒字だが、市からの繰入金二億四百八万円を差し引くと一億三千七百万円の赤字で、昨年度に比べて七十七万円の微増。今年度決算も、一億六千七百万円の赤字を見込んでいる。
また、今年度中に二、三階の病棟改修工事を終えて百二床を稼働し、健診センターと地域医療連携室を新設する予定だが、内科の常勤医師のみならず看護師(十人)も不足しているのが実情だ。
医療スタッフの確保に苦戦している背景の一つに、将来の経営形態に対する不確実性が挙げられる。委員からは「医療スタッフがいくら頑張っても赤字評価では働きがいのある職場にならない。このままでいいのか」と疑問の声があがり、改めて経営方針の早期提示が求められた。
黒字経営に越したことはないが、地域医療の質を維持しつつ、広く市民の命を守る公立病院としての役割を担っている側面も。委員から「市全体の需要は何なのか。能登川病院に求められているものは何なのか。病院の外に出掛けて行き情報収集し、需要に沿った施策を考える」必要性が指摘され、「医師・看護師だけでなく、リハビリや栄養指導などソフト面での人的投資など『チーム医療』を考えなければ何も変わらない」との意見が出た。
病院の人的資源も含めて強みを生かした運営と経営計画、さらにそれらを知ってもらう工夫など、浮き彫りとなった課題すべてが経営改善へのヒントになるが、同委員会の会合は五回で閉じられた。
病院関係者は「現場で働いていると見えない部分があるので、こういった助言をいただける場を継続してほしい」や「病院の現状を認識・共有し、市民とともに在り方を考えることこそ地域医療の基本ではないかと思う」と強調し、存続を求めた。
他の委員からも「来秋までにどうなるのか心配」や「どういう形で残していくのか見えてこない中、将来のために意見を交わす場は必要ではないか」との意見が相次いだ。
前回会合(五月開催)で「来年九月頃に議会や市民に再度相談し、(経営形態を)見極めていきたい」と表明した小椋正清市長。その判断基準や過程が示されぬままでは、同委員会が終結した今、医療スタッフや地域住民の不安は募る一方だ。






