竜王町長 竹山 秀雄
9月16日、本州に上陸した台風18号は、豪雨をもたらし、各地に大きな爪痕を残しました。本町においても、日野川の水位は、伊勢湾台風に匹敵する程に上昇し、一部堤防が崩れ落ち、決壊寸前の状況に至りました。このため、周辺住民の皆さまには、それぞれの地域で声をかけあい助けあいながら避難していただきました。
その中でも、雪野山史跡広場(妹背の里)付近は、左岸に比べ右岸堤防は低くなっており、周囲の果樹園、農村グラウンドに濁流が流れ込んだことにより、床上浸水、濁流による農地への土石流入等、被害は甚大でありました。とりわけ、田んぼや通路は2m以上の水嵩になり、泥土の堆積で一瞬目を疑う様な被災の状態でした。
風雨が治まり、妹背の里及び付近の状況を視察しましたが、芝生の上でも長靴が沈んでしまうぐらい、気の遠くなる様な泥の量が目に入りました。
妹背の里には、その中央部に鯉が泳ぐ池があるのですが、ひっそりとドロドロの濁り水溜状態で、鯉の気配など全く無く、そして合鴨も7羽いたのですが皆目姿も見えず、おそらく、鯉は流され、合鴨も飛散したものと思われました。
すぐさま、芝生の傾斜部だけでもと消防ホースにて泥土を低い方へ洗い流す作業に入りました。職員を中心に汗だくの作業を続ける中、台風から3日目に、合鴨が1羽も欠けること無く、山の方からヨチヨチと歩いて池に戻って来たのです。この報告をしてくれた職員は目に涙を浮かべておりました。被災後、何度も足を運んでいますが鴨は濁った池で、いつもより鳴き声も高く羽ばたきの回数も多く、はしゃいでいる様に、映りました。激しい風雨と水嵩が増した池から揃ってどこかへ避難し身を寄せ合っていた姿が偲ばれますし、住み慣れた池に戻れた喜びもひとしおのことだったでしょう。
復旧には大勢の方が携わって下さっています。
鴨の鳴き声が、皆さんの励ましになっているものと確信しているところであります。
元のきれいな妹背の里に戻るにはまだまだ時間がかかりますが、ご利用は可能となり感謝申し上げる次第でございます。






