加藤菊太夫組が獅子舞奉納
伊勢大神楽講社(国指定重要無形民俗文化財)・加藤菊太夫組一行七名が、さる九月十四日と十五日、宮城県南三陸町志津川・上山八幡宮(かみのやまはちまんぐう=工藤祐允宮司)を訪ねて獅子の舞を奉納した。
九月十四日午後六時からの宵宮祭では、式典終了につづき篝火(かがりび)に囲まれた本殿前で四方の舞・吉野舞・神来舞を演じた。上山八幡宮の神社役員や多数の氏子をはじめ、秋祭り支援のため東京からきていたボランティアの青年男女三十数名らも見学、洗練された美しい獅子の舞に盛んな拍手を送っていた。
十五日は、あいにくの小雨。午前十時からの例祭のあと、こんどは拝殿で四方の舞・神来舞を奉納。
さらに午前十一時には、「南三陸さんさん商店街」に移動し、テント集会場の中で約五十分にわたり舞と曲芸を披露した。
当初は商店街中央広場での公演を予定していたが、あいにくの雨で会場が変更になった。地元の買い物客など約八〇名が見守る中で、舞につづき綾採(あやとり)の曲、水の曲、そしてフィナーレに魁曲(らんぎょく=女形の道中)を披露し喝采をあびた。たまたま見学にきていたボランティアのアメリカ人女性も、「ワンダフル」を連発していた。
加藤菊太夫組は、平成二十三年、東日本大震災の年の上山八幡宮秋祭りに同社を訪問し、震災からの復興を願って伊勢大神楽を奉納した。このときには仮設住宅の建ち並ぶ志津川小学校グラウンドで、同校児童たちを前に伊勢大神楽の舞と曲芸を披露し大喝采をあびた。菊太夫さんは上山八幡宮の工藤宮司に、「二年後に、またきます」と約束しており、今回、その約束が実現した。
前回は十三時間余をかけ自動車で移動したが、今年は新幹線を利用。そのぶん、獅子頭をはじめ荷物が大きくなった。しかし、菊太夫さんは「大震災からの復興は、まだまだこれから。被災した人たちを少しでも励ますことが出来るのなら荷物の重いくらいは問題じゃない」と話していた。
中島 伸男






