知事辞職求める声高まる
◇全県
嘉田由紀子県知事は、「卒原発」を掲げて、「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(河村たかし、山田正彦両共同代表)、「みどりの風」(谷岡郁子共同代表ら)にも呼びかけて、中道左派(リベラル)の結集に向け動き出した。
地方政治から国政を変えようと自ら塾長になって「未来政治塾」を開講してきた。とくに昨年三月の東京電力福島第一原発事故から、武村正義元大蔵大臣が提唱した「卒原発」をそのまま使って自己主張していく。今夏の関西電力大飯原発再稼働に慎重だったが、結局、「容認」に変節した。全国の脱原発の期待を裏切ってしまった。
それでもマスコミを通じて弁明に努め、マスコミもこぞって好意的な対応で、嘉田氏は再び脱原発の旗手として表舞台に躍り出ることができた。
また、日本維新の会が太陽の党と合流する際に橋下徹代表代行が脱原発を後退させたことや、石原慎太郎代表や安倍晋三自民党総裁らの極右化に危機感を募らせたのも事実だろう。それ以上に政局がだれよりも好きな嘉田氏は、この機を見のがさなかった。
維新に合流できない小沢氏らにとって、嘉田氏はイメージチェンジの格好の顔であり、橋下氏にライバル意識を持つ嘉田氏とは思惑が一致したとみられる。
しかし嘉田氏は新党や政治団体の顔になっても、「絶対に知事は辞めない」と知事の座にあくなき執着心を見せる。
武村氏は「もし国政に打って出るなら、二足のわらじは県民に失礼であり、当然、知事を辞められるべきだ」としている。県庁内からも「何を考えているのかさっぱりわからない。県政すら十分にできていない段階なのに」と冷めた声が出ている。
嘉田氏が二十六日夕に知事室で記者団の取材に応じたやり取りは次の通り。
―新党なり政治団体なりを立ち上げようとした狙いは。
「今回の国政選挙は昨年の3・11以降初めての国政選挙。それだけに原子力の政策議論が国民的議論になることを期待している。とくに滋賀県、琵琶湖は一千四百五十万人の命の水源である琵琶湖を預かっている。隣の若狭湾に十四基の原発がある。ぜひ国政で原子力議論してほしいと切に願っている。そのためにも(脱原発の各党は)一本にまとまらないといけない。いま(脱原発の各党と)意見交換しているところだ」。
―盟友の橋下氏との関係は。
「去年の3・11以降、脱原発に関して最も動いたのは橋下市長だった。今は様々な対応で(後退し)調整されている。その当たりも直接はあまり話していないが、原子力に関して目指す方向は近い」。
―知事の仕事はどうするのか。
「知事をやめない。私は今、琵琶湖のことを心配している。知事だから心配しているわけだ。知事の仕事を全うするのに、国、関電と交渉してきた。原発協定一つ結べない無力な段階なので、今後は、国政に対して意見を言っていきたい」
【石川政実】







