能登川北小6年生 チンゲンサイ生産から販売まで挑戦
◇東近江
「私たちが育てました。今日の朝、収穫したばかりのチンゲンサイです」。愛らしい売り子の掛け声に、多くの買い物客が目を細め足を止めた。
売り子の正体は、能登川北小学校の六年生(児童数五人)。野菜作りの苦楽を体験する総合学習“土からの贈り物”の一環で、専業農家・田井中郁さん(40)の指導を受け、校内のビニールハウスでチンゲンサイを栽培した。
担任の安本剛教諭は、一生懸命働くことの大切さ以外に、野菜をしっかり食べるといった食育効果もねらい、今春から一人三種類の野菜作りに挑戦させてきたという。児童の学びをより深めるため、消費者に直接販売する機会も設けた。
今月四日午前八時半、児童は朝露のかかったチンゲンサイを、かじかむほどの冷たさも我慢しながら素手で一株ずつ収穫し、一袋二百五十グラム以上にそろえて袋詰め。最後に、能登川北小ブランドであることが一目で分かるよう、かわいいチンゲンサイの絵と商品名「北(きた)チン」を書いた特製シールを貼った。
登校したら即座にビニールハウスへ行くのが日課になっていた児童たちが栽培しただけあって、出来栄えは「どの市場に出しても問題のない、高い品質」と田井中さんの折り紙付き。
販売準備を終えた児童らは、近江八幡市大中町にある愛菜館の協力を得て、玄関口に北チンコーナーを設置。チンゲンサイの栄養価やお薦めレシピを手書きした画用紙を掲示し、来館者へ猛アピールを始めた。一袋手にした人にさりげなく「もう一袋どうですか」と微笑み掛けるなど商魂たくましく、一日に二十袋売れるといい方だというチンゲンサイを、一時間あまりで六十三袋すべて売り切った。
料理が得意でレシピ探しを担当した尾島汐美さんは「今まで育ててきてよかった。自然の力はすごい」と語り、商品名を考案した宮崎千賀さんも「チンゲンサイのことを深く知れてよかった」と振り返った。得意分野は農業という居原田彩花さんは「夏休みに農家のおばあちゃんの手伝いをしているが、家ではやらせてもらえない仕事ができた。売るのも食べるのも楽しい」と目を輝かせ、シールの絵を手掛けた冨江ひまわりさんは「お客さんに喜んでもらい、おいしく食べてもらうのが一番のやりがい。趣味が食べることなので、北チンがおいしすぎて食べ過ぎた」と笑う。
当日は参加できなかったものの、樋口丈一郎くんも、得意の生き物育ての観点から、チンゲンサイの品種を詳しく調査してまとめた。
「五人いれば最強」と語る仲良し六年生の挑戦は、大成功に終わった。







