草津市のオートバイ死亡事故
◇全県
草津市馬場町の県道で一昨年一月、男性(当時24)がオートバイの走行中、転倒して死亡した事故で、両親が「道路の安全管理がズサン」として県を相手取った損害賠償請求訴訟は、今年九月、両親の上告を不受理とし、敗訴が確定した。父親は敗訴を受け入れつつも、「県の過失が全く問われないのは納得できない」と、県の道路行政に疑問を投げかけている。〈高山周治〉
遺族「県の過失ゼロ疑問」
県 「安全性欠いていなかった」
両親は、男性が亡くなった直後、本人の全面的な運転ミスと受け止めていた。しかし、事故現場は、地下にある配管の影響で地面が大きく隆起していた。このため原因の一つと疑いを深め、「県が隆起を長年放置していた」と一昨年十一月五日、提訴した。
しかし裁判では、スリップ痕から推測した速度超過(制限速度時速五十キロを超える約九十五キロ~百キロ)で全面敗訴。「安全性を欠いていなかった」とする県の主張が認められ、道路管理責任は省みられることはなかった。
遺族側が裁判で指摘した、道路の安全基準を定める道路構造令二十二条によると、時速五十キロ制限の道路の高低差は本来、地面の最高点から十一メートル離れた地点で七・六センチが許容範囲。しかし、現場の隆起は、草津・大津両方面で二十七センチを超え、同法令に照らせば「三十キロ制限並み」しか満たさない。
この指摘に県は、「法施行(昭和四十六年四月一日)以前の道路は適用から外れる」と主張した。
これに対して遺族側は、県の安全管理の責務を踏まえて、「車両の増加など様々な事情の変化で道路の安全基準が変化するのは当然。法令施行前の道路であっても、基準を大きく逸脱し、危険性のある道路を放置して良いとは認められない」と追求したが、認められなかった。
遺族の代理人を務めた弁護士は「県の過失がゼロとはいえない。道路の高低差が道路構造令二十二条の基準に適合していなかった点についてきちんと問われるべきだったのではないか」としている。
なお県は、事故から二か月後の一昨年三月、注意を促す標識を事故現場付近に設置した。
父親は「現場は従来から近所の人も危険視していたが、息子は普段使わない道で知らなかったと思う。平坦であれば、あるいは標識があれば事故は防げたかもしれない。県など道路の管理者は、市民の安全を第一に考えてほしい」と話している。







