首かしげるJAグリーン近江
◇全県
近江鉄道(本社・彦根市)が線路用地に散布したことにより沿線の水田で稲枯れなどが発生した問題で、JAグリーン近江などでは除草剤に非農耕地用のテブチウロン成分(ハービック水和剤)が使用されていたことを疑問視する声が起こっている。【石川政実】
県は七日、東近江市など沿線五市五町の十六か所七十七地点で、採取した玄米における除草剤成分テブチウロンの残留濃度調査結果を公表した。
それによると、線路から十メートル以内では、安全基準値(0・02ppm)の倍の0・04ppmが一地点で検出された。基準値は超えなかったが、0・01ppm以上は、線路から三十メートルまでで八地点あった。0・01ppm未満の成分の痕跡が検出されたのは、百メートル以内で二十四地点だった。しかし、線路から百メートル離れた地点では、検出されなかった。
県は調査結果に基づき、線路から百メートル範囲の農作物の出荷停止と一律廃棄処分の要請を決めた。これを受け近江鉄道は、沿線百メートルの農作物を買い取り、廃棄処理する。
同社では「例年、六月上旬に除草剤を散布するのが、今年は一か月遅れたため、沿線の雑草の丈が伸びたことで、散布のノズルを高くし、薬剤も多くしたのが、稲枯れなどの原因にもなった」とみている。
しかし、JAグリーン近江の担当者は「公園とか道路、駐車場などで使用する非農耕地用のテブチウロン(除草剤)を水田が間近に迫っている線路で使うこと自体、われわれとしては考えられない」と首をひねる。
今回、近江鉄道は大阪の施工業者と契約を結び、孫請けの群馬県の業者が七月九日~三十一日の二十日間、除草剤散布を行った。
使用した除草剤は(1)グリホス液剤(2)理研MCPP液剤(3)ハービック水和剤(成分テブチウロン)の三種類を混合したもの。
とくにテブチウロンは、残留農薬として規制される対象になっている。例えば、鉄道用除草剤『レールウェイ粒剤』には、薬液が水田に流入することが想定される場所では使用しない旨の注意書きが添えられている。
『レールウェイ粒剤』の注意書きを見てみると▽水田や水田への利用が考えられる用水路等に流入が想定される場所や、農作物および樹木等有用植物の付近では使用しない▽急な傾斜地では本剤の流出による薬害の恐れがあるので使用しない▽作物の播種または植栽予定地では使用しない―などが列挙。
はたして近江鉄道側がテブチウロンを成分とする除草剤を使ったことに問題がなかったのか、改めて問われているのだ。







