激しい攻防の舞台裏「近江絹糸『人権争議』はなぜ起きたのか」
◇全県
昭和二十九年の近江絹糸労働争議(彦根市)で新労働組合のリーダーとして関わった元県議の朝倉克己氏(78歳)=彦根市=は、激しい攻防の舞台裏を綿密につづった新刊「近江絹糸『人権争議』はなぜ起きたのか」(定価千六百八十円)=サンライズ出版=を出版した。
近江絹糸労働争議は、戦後最大規模の労働争議とされ、三島由紀夫の小説「絹と明察」の題材にもなり、朝倉氏は登場人物「大槻青年」のモデル。
著者は昭和二十五年、集団就職で鳥取県倉吉市から同社創業の地である彦根工場に入社し、軍隊式規律が色濃く残る職場に違和感を覚えた。
事業拡大方針のもと、「真剣週間」と称する出来高競争や、入寮者の信書開封、経営手段に使った仏教教育など封建主義さながらの労働環境。著者は、彦根東高校定時制に入学したが、会社側の受験阻止と通学妨害に遭い、東高の仲間を中心に御用組合の改革を秘密裏に策略。やがて二十四時間操業がきっかけになって、労働者の人権を求めてストへ突き進んだ。







