帝国データーバンクが調査
◇全県
民間信用調査会社・帝国データーバンクはこのほど、景気動向調査七月特別企画として実施した「消費税率引き上げに対する企業の意識調査」をまとめ、公表した。
今年六月に衆議院で、民主・自民・公明の三党合意に基づいた消費税率引き上げ法案を含む社会保障と税の一体改革関連法案が可決した。また、参議院でも同法案が可決して成立し、二〇一四年四月に八%、二〇一五年十月に一〇%となる消費税率の引き上げが実施される見込み。これによる個人消費や設備投資動向に加えて、企業業績への影響について意識調査アンケートを行った。
調査期間は七月十九~三十一日。調査対象は全国二万三千九十九社で、有効回答企業数は一万六百三十七社(回答率四六・〇%)。
●67%が業績に悪影響
消費税率が引き上げられた場合、自社の業績にどのような影響を与えるか尋ねたところ、「悪影響」と回答した企業が一万六百三十七社中、五千九百一社(五五・五%)で最多となった。「かなり悪影響」(一一・七%、千二百四十一社)とあわせると、三社に二社の六七・一%(七千百四十二社)になった。
一方、「影響はない」は一五・九%(千六百九十三社)と一割台にとどまった。また、「好影響」は二・〇%(二百十一社)と非常に少数だった。
「悪影響」と答えた企業を業界別にみると、「小売」が最も高く八六・六%(三百九十九社)、「農林水産」(七九・五%、三十五社)も八割近い高水準となり、消費者に最も近い業界である小売と食料品の生産を担う農林水産で懸念する企業が特に多いことがうかがえる。
●「販売価格に転嫁できない」は4割
業績への影響について回答のあった企業九千四十六社にその理由を尋ねたところ、「税負担の上昇」が四九・七%(四千四百九十七社。複数回答)となり、半数近くの企業が税負担を挙げた。次いで「販売価格に転嫁できない」(三九・二%、三千五百四十八社)、「駆け込み需要後の反動減が大きい」(三二・九%、二千九百七十三社)、「納入価格の値下げ要請」(三二・八%、二千九百六十九社)が続き、いずれも三割を超える。
業界別にみると、「税負担の上昇」では不動産(六〇・一%、百四十社)が高く、六割を超えて全体を一〇四ポイント上回った。また、小売では「税負担の上昇」(五六・六%、二百四十五社)、「販売価格に転嫁できない」(五〇・三%、二百十八社)が半数を超え、「駆け込み需要後の反動減が大きい」(四七・六%、二百六社)も五割近くに達している。
規模別では、「税負担の上昇」が「大企業」で四二・三%(八百七十社)だったのに対し、「中小企業」は五一・九%(三千六百二十七社)と半数を超え、とりわけ小規模企業では五七・四%(千二百二十七社)となり、大企業を一五・一ポイント上回った。
●二段階引き上げ25%が影響度合い「強」
今回の法案では、二〇一四年四月に八%、翌年十月に一〇%へと引き上げることになっている。そこで、消費税率引き上げにより業績に影響があると回答した企業七千三百五十三社に、二段階引き上げによる業績への影響度合は、一段階で一〇%まで引き上げられる場合と比べてどの程度異なるか尋ねたところ、「影響の度合は変わらない」が三四・〇%(二千五百三社)で最多となった。一方で、「影響の度合が強まる」と回答した企業も二五・一%(千八百四十九社)となっており、四社に一社は二段階引き上げにより業績への影響度合がより強まると考えている。また、「影響の度合が弱まる」は一九・一%(千四百五社)で約二割だった。
消費税率を二段階で引き上げることをあらかじめ明示したうえで実施することは日本で初めての経験であり、企業業績に予期しない形で影響が現れる可能性がある。とりわけ、悪影響の度合が強まることや好影響の度合が弱まるという結果も出ているなか、消費税率の二段階引き上げが企業の経営計画のリスクになる懸念を払拭するような行政の取り組みが求められる。






