動き出した衆院選<5> 《 4区 》
【滋賀4区(近江八幡市、東近江市の一部(旧愛東、湖東町を除く)、甲賀市、湖南市、竜王町、日野町)】
民主党現職で文部科学副大臣を務める奥村展三氏(67)に、前回も出馬した自民党新人の武藤貴也氏(33)、共産党新人の西沢耕一氏(34)が挑む。岩永峯一元衆院議員の三男で、水口青年会議所理事長の裕貴氏(38)が大阪維新の会から出馬するのかも焦点だ。六月二日現在の有権者数は二十八万九千七百七人。(文中敬称略) 【石川政実、高山周治】
●さらば、小沢
消費増税法案の閣議決定に反対するため、民主党の小沢一郎元代表は三月三十日、議員会館でグループに所属する政務三役らと面会し、辞任の意思を確認した。
奥村は「文部科学副大臣を途中で放り投げるわけにはいかない」と辞任しない旨を伝えた。小沢は「政治家が決断したことに、俺がとやかく言うことではない」と述べた。それが小沢との別れだった。
平成十二年、十五年(比例で復活当選)、十七年(同)と三度、自民の岩永に敗れた。岩永が引退して武藤と戦った二十一年(前回)、初めて選挙区を制した。
今回は、四市二町に支部がある後援会(五万人)の拡充を急ぐ。
とくに岩永の地盤・甲賀市へ攻勢をかける。
「もし岩永さんの息子さんが出るなら、死ぬまで岩永家と争うことになる」と苦笑する。
●自主防衛で国家主権
武藤は、強運の持ち主である。岩永が引退し、後継者に三男の裕貴が決定したが、峯一の政治資金収支報告書問題で裕貴が無念の出馬辞退。そこで自民党県連は二十一年四月に全国公募し、応募者の中から武藤を選んだ。
前回、奥村に大敗した屈辱から、武藤は変わった。「自分の言いたいことを言う」と吹っ切れたのだ。
「戦後の日本は、米国に安全保障を委ねて経済復興を優先した。その結果、拉致や領土問題でも明らかなように米国や中国などに遠慮し、干渉を受けざるを得ない。だから自主防衛を行い、国家主権を取り戻す」と訴える。
後援会も着実にパワーアップしている。近江八幡市や竜王町では、学区ごとに後援会支部を設置し、さらに字単位でも幹事を設ける。
●若者世代を選挙に
「あの時は本気で世の中が変わると思った」。西沢にとって、入党直後の十年の参院選は、鮮烈だった。経済政策への批判から自民党が大敗する一方、共産党は改選議席が六から十五へ躍進したのだ。
しかしその後、党は二大政党時代に埋没して退潮傾向をたどる。
そんな中で気になるのは、若者世代の政治への関心の低さだ。
二十歳代の元介護職員の女性と話す機会があった。彼女が人生で経験した投票はたったの一回、前回の総選挙だった。「期待が大きかった分、裏切られた気持ちが強い」と二度と選挙に行かないという。
そんな若者の思いを投票行動へ結びつけようと、駅やミニ集会で、労働問題や増税反対などを訴える。十四年前の初心、「政治が変われば、生活が変わる」を忘れないために。
●リベンジを期す!?
六月の維新の会の政治塾入塾式に、岩永裕貴が出席した。「いろんな勉強会に行っており、維新政治塾もその一つ」と話すが、出馬の公算も否定できない。(連載終わり)







