製造業や病院に強まる計画停電への恐怖
◇全県
政府は十八日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働しない場合に備えて、関西電力管内で一昨年夏比一五%以上の今夏の節電目標を決定した。これを受け滋賀県などが加盟する関西広域連合も十九日、節電目標を一五%と決めた。滋賀県も家庭やオフィスを中心に節電対策を検討中だが、節電や計画停電への見通しの甘さが指摘されている。 【石川政実】
再稼働に慎重な嘉田由紀子知事は、経済団体に対して「家庭などで節電に努め、できるだけ産業界に負担をかけないようにしたい」と語っているが、産業界は冷ややかだ。
今夏の厳しい電力不足を見据えて野洲市は二十四日、市内に工場があるオムロン野洲事業所、京セラ滋賀野洲工場、村田製作所野洲事業所など大手メーカーや、野洲工業会、野洲病院、関西電力、県などと意見交換会を開いた。
メーカーや病院からは「昨夏以上の節電には、もはや限界」「計画停電になれば、実質的に生産を継続できなくなり、国内外の信用を失いかねない」「計画停電になれば、自家発電装置があっても、その分は患者の治療に優先して回すので、各種検査などができにくくなり、患者の命にかかわる」などの声が相次ぎ、関西電力に対して「計画停電だけは避けてほしい」と訴えた。
関西電力によれば、一昨年夏(七~九月累計)の同社全体の電力需要実績は、約三千九十五万キロワット(構成比=産業用約三五%、商業用約三九%、家庭用約二六%)。
一昨年夏比一五%ちょうどの節電を行ったとして、産業用、商業用を一昨年並みにとどめたと仮定すれば、家庭用は単純計算で約四割もの節電が必要になる。
産業用だけを一昨年並みのままと仮定しても、家庭用・商業用で約二五%の節電が必要。
これは、あくまで単純計算に過ぎないが、産業用などの影響を避けるために家庭用のみで節電するのが、いかに困難かは明らかだ。
また、この試算は関西電力全体のケースだが、滋賀県に置き換えると図のように、昨年度の電力消費量の構成比は、産業用が約六〇%と、関西電力全体の約四〇%を大きく上回る。それだけに滋賀県は家庭用の節電だけではまかないきれず、計画停電が現実味を帯びてくる。
山仲善彰・野洲市長は「産業用が突出している滋賀県では、県の言うように家庭で『楽しく節電』のレベルではなく、地元はもとより、内外の経済と雇用への影響が深刻だ。関西広域連合も、一律一五%以上の節電目標でなく、府県の特性に応じた節電目標をきめ細かく設定すべき」と提言している。







