自民「行革」VS知事「労組重視」
◇全県
県職員の地域手当を現行の「五・七%」のまま据え置く条例改正案が県議会で可決されたのを受け、嘉田由紀子知事は二十九日臨時議会を召集し、審議のやり直しを求める再議を求めた。採決では、自民とみんなの両会派が賛成したが、地方自治法で定める再議の賛成数(議長含む出席議員の三分の二が必要)に達せず、条例改正案は廃案となった。このため新年度の地域手当は、県が労組と交渉して決定した「六・〇%」に引き上げられる。
県職員給与は人事委員会の勧告に基づき、県が職員団体との労使交渉を経て、決めてきた経緯がある。
県は、労使交渉で新年度から現行の「五・七%」を「六・〇%」に引き上げることで合意していた。
しかし厳しい財源不足の中で、自民党議員団は行財政改革が不十分として、現行の五・七%に据え置く条例改正案を議員提案し、二月県議会で可決された。
だが民主・県民ネット、対話の会、公明党など他会派や労働組合は反発していた。
臨時会で嘉田知事は、再議の理由として(1)支給割合を適当とした県人事委員長の意見(2)県議会の条例改正案は職員団体との話し合いを経ていない(3)職員の士気低下―を挙げたが、やや説得力に欠けた。
臨時議会で質問に立った自民やみんなの党の議員から「五・七%に据え置くことが行革を進める姿勢を示すことになるのに、六%へ引き上げるのが本当に県民のためになるのか疑問」「職員給与が民間給与をはるかに上回っているのに地域手当を引き上げる根拠はあるのか」「過半数の議決を踏みにじって、再議を行うのは知事の職権の乱用だ」と再議を批判した。
これに対し条例改正案に反対の立場の民主県民ネットらは、改正案は労使交渉の「ルール無視」と批判し、「県職員が高い使命感をもって働くために地域手当を引き上げるべき」とした。
議会終了後、嘉田知事は会見で「(再議で廃案になった)結果は議会の判断だと思っている。これからは建設的な議会との関係に努めたい」と述べたものの、議会運営は今後、厳しさを増すものと見られる。







