県が初めて原発災害訓練
◇全県
若狭湾沖で地震が発生し、福井県の日本原発発電(株)敦賀原発二号機において昨年三月の福島第一原発事故と同程度の事故が起きたという想定で、県と長浜、高島両市は共同で十八日、原子力防災訓練を実施した。国が示す原発から半径三十キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)に県が入ったことを踏まえ、住民の避難訓練を初めて行った。県では訓練で見えてきた課題を県地域防災計画に反映したいとしている。なお訓練には県と長浜、高島両市に加え、警察や消防、自衛隊など十三団体約三百人が参加した。
訓練は十八日午前六時二十分、若狭湾沖で発生した地震により、日本原電敦賀原発二号機の原子炉が自動停止したと想定。午前七時三十分、県庁内に嘉田由紀子知事を本部長とする県災害対策本部を、湖北合同庁舎と高島合同庁舎に各地方本部を設置した。県は国や福井県、日本原電などと連携し、事故状況や災害状況把握に努め、環境放射線モニタリング車を長浜市余呉町に派遣したり、琵琶湖の水や葉物野菜、牛乳などの線量測定を指示した。
午前八時十五分過ぎからは、発生から三日後のシナリオに変えて、敦賀原発二号機が炉心損傷に至り、排気筒から放大量の放射性物質が放出されたと想定。
これを受け国の緊急時迅速放射能影響予測システム「SPEEDI」による放射性物質拡散予測結果に基づき 国から高島市と長浜市の住民に避難指示があったと想定し、住民の避難訓練を行った。
午前九時過ぎから始まった避難訓練では、長浜市西浅井町山門地区住民約三十人は市が用意したバスや自衛隊の車両などに分乗して約二十キロ離れた市立びわ北小学校に、高島市マキノ町大沼や中庄地区住民約五十人は約十二キロ南の同市安曇川公民館に、それぞれ避難した。避難住民は、衣服に付着した放射線量を測定するスクーリングを体験したり、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤についての説明などを受けた。
小椋正清・防災危機管理監は「主要道路が寸断された事態に備え、今後は湖上交通のリアルな実地訓練も行いたい」と話した。
嘉田知事は「今回の訓練にはシナリオがあったが、実際はシナリオのない状況だけに、これにどう対処するのかだ。このため現場の責任者は常に要支援者のことをイメージしていてほしい」と述べた。







