西澤市長「これ以上の選択肢ない」
◇東近江
東近江市は十九日、市立病院体制整備委員会がまとめた“市立病院体制整備実施計画(案)”に関する「住民説明会」をあかね文化ホール大ホールで開き、住民約二百人が参加した。二十一日午後七時からも、同ホールで住民説明会を行う。
昨年六月に作成された市立病院等整備計画で、ベッド数六十床の病院もしくは〇床の無床診療所という選択肢が示された蒲生病院。
新たに市立病院体制整備実施計画案で提示されたのは、平成二十五年度から十九床までの“(仮称)蒲生医療センター”を拠点に、現専門医と家庭医(現七人から九人体制へ)が連携して新診療体制を構築し、検診機能の充実や長峰・鋳物師診療所の診察回数増も図りながら地域包括医療を実践すること。在宅医療にも重点を置き、家庭医育成の先進地化で医師確保の活路を見い出す。
午後七時からの説明会冒頭、西澤久夫市長は「これ以上の選択肢はないとの思いで提案させていただく。(住民間で)さまざまな不安や不満があることは十分承知しているが、新たな医療体制をともに築いていきたい」とあいさつし、計画案への理解を求めた。
五十代以上の男性が大半を占めた会場からは、「なぜ能登川病院は病院のままで、蒲生病院は診療所なのか」との質問が相次いだ。施設の老朽化や未耐震、当直医確保、建て替え費用捻出、診療科目の維持といった存続を阻む課題が説明されたものの、家庭医の実像がつかめず老老介護に不安を抱く参加者らは「何としても蒲生病院を残してほしい」という存続要望の声に拍手で同調。
入り口論の応酬が続く中、住民にとって最悪の選択肢だった〇床案が薄れ、将来を見据えた切り札として家庭医育成の展望が含まれていることに安どし「(計画案を)やむを得ないなと思った」と、建設的な意見もあがった。
住民間で広がる理解度・認識の差について「市の説明の曖昧さや地域住民とのコミュニケーション不足が招いた結果ではないか」と指摘する声も。
参加者から見解を求められた蒲生病院の加藤正人院長は「医療水準を保持し、病床も確保するにはどうすればいいかと考えたとき、現実的に一番実現可能な提案ではないかと思った。我々もこれまでの医療の質を落とさないよう全力を尽くす」と決意をにじませ、最後に市病院事業管理者の中條忍氏が「地域住民の存続を願う気持ちと、持続可能な仕組みを構築しなければならない行政の責任という二つの溝を埋めるのは、地域医療へ向かう医師らの決意や熱意かもしれない。若い頃に蒲生病院で研修させてもらった恩返しを、私も最後にしたいと思っている」と力を込めた。
住民説明会で出た意見は、十一月の市立病院体制整備委員会で報告され、実施計画の最終案が取りまとめられる予定。






