「もったいない」と移動測定車に切り替え
◇全県
滋賀県防災危機管理局は昨年九月から、福井県で原発事故が起きた場合、滋賀県がいち早く独自で察知するために、高島市今津町、同市マキノ町、長浜市西浅井町、同市余呉町に設置していた環境放射線モニタリングポスト(測定装置)四機を休止(事実上の廃止)し、嘉田知事の「もったいない」とばかりに、安価な移動測定車(モニタリングカー)一台に切り替えていたことがわかり、市民団体から「県民の安全をなおざりにするもの」と怒りを買っている。【石川政実】
県 「福井県のデータ活用で十分」
市民団体 「あまりに非常識」と怒る
この放射線モニタリングポストは、福井県の原発事故に対応するため、平成十三年に県境に設置された滋賀県の目玉事業で、総事業費は約三億円。同測定装置から毎日リアルタイムで県庁のサーバーにデータが送られ、二十四時間監視体制が続けられてきた。
ところが同装置が老朽化し、補修部品の調達も困難になったことから、測定装置の更新が必要になっていた。県では「更新に何億円もかけるお金がもったいない」として、昨年九月から安価なモニタリングカー(移動式測定装置)一台の購入でことを済ませることにした。初期投資は一台三千万円だが、月一~二回の測定であり、維持費も年間百万円程度と割安という。観測したデータは、携帯電話の回線を使って県のパソコンに送られている。
県防災危機管理局の若林健参事は「放射線モニタリングポストは、お隣の福井県で多数設置されており、原発事故の初期段階はこのデータを使わせてもらえればいいだけのこと。モニタリングカーは機動力があり、測定したいところへ移動できる」と胸を張る。
原発問題に取り組んでいる市民団体「原発を知る滋賀連絡会」の池田進事務局長は「福井県のモニタリングポストを利用すると言うが、滋賀県が独自で察知することに意味があるはず。休止するなら、なんでわざわざ何億円もかけて県内に設置してきたのかわからない。今回の東日本大震災でも道路が寸断されており、モニタリングカーではとても測定など出来ない。また放射線量の測定は定点でする必要があり、県が『もったいない』と言って、滋賀県の原子力防災の基本であるモニタリングポストを中止するのは、非常識そのもの」と憤った。








