「原発を知る滋賀連絡会」の池田氏に聞く
東京電力福島第一原発の放射能汚染は、福井県の原発銀座に隣接する滋賀県にとってもひとごとでなく、県議選の大きな争点になっている。そこで滋賀県に対し「人的被害を想定していない県の原子力防災計画は無意味だ」と国松善次前知事や嘉田由紀子知事に何度も指摘してきた市民団体「原発を知る滋賀連絡会」(更家周 子代表)の池田進事務局長に県の原子力防災計画の課題を聞いた。【聞き手・石川政実】
―福島第一原発の深刻な事故により、国は半径二十キロの住民に対し避難指示を行った。片や国の指針に従った県の原子力防災計画では、滋賀県が半径十キロ圏外にあるため、避難・退避の対策は盛り込まれていない。今回の事態を受けて、県の原子力防災計画の避難対象範囲をどう見直したらよいか。
池田 今回の事態により、半径十キロ以内で対策を講じれば十分であるとする国の指針は破綻した。当然、国は半径二十キロ、あるいはそれ以上に見直すだろう。一方、国の指針にひたすら従ってきた滋賀県も、当然、見直しが必要不可欠なことは言うまでもない。
―嘉田知事は先月二十八日の関西電力の豊松秀己・原子力事業本部長との話し合いで、避難対象を、敦賀原発から二十キロ以内に見直したい意向を示したが。
池田 それでは、またしても国の指針に追従するだけであり、抜本的見直しとは言えない。四十キロ離れた飯舘村で深刻な放射能汚染が確認されたのを考えれば、二十キロで不十分なことは明らかだ。
―では何キロが妥当と考えるか。
池田 米国駐日大使が先月十七日、福島第一原発の半径八十キロ以内にいる米国人に避難するように勧告したが、これは米国による同原発の放射能拡散状態のシミュレーション結果などに基づいたもので、十分な科学的根拠を有するものだ。とくに滋賀県は原発の風下に位置することから、米国案で考えるべきだ。
―滋賀県に隣接の福井県には、滋賀県境から十三キロから二十キロの範囲内に原発十三基と高速増殖炉もんじゅが設置されているが、滋賀県としてどう対処したらいいか。
池田 福島第一原発事故のような事態が起これば、近畿の水瓶である琵琶湖が汚染される懸念が大きく、最低限、危険度の高い原子炉については、早急な運転休止を考えるべきだ。すなわち老朽化した原子炉(敦賀原発一号機、美浜原発一~三号機)、ならびに諸外国では例のない活断層の真上に位置する原子炉(もんじ ゅ)の運転休止を求めざるを得えなくなる。
―それ以外の課題は。
池田 核燃料の国内輸送問題がある。少し前のデータではあるが、年間約二百回の輸送が行われており、このうち約五十回は滋賀県内の道路を通過している。 万一、輸送中に事故が起きた場合、大惨事になる危険性がある。その場合、滋賀県は最初に緊急対応を迫られるが、実際には、輸送に関する情報は、公安当局 のみにしか知らされていない。嘉田知事や県担当者がこれまで、その情報を把握してこなかったのは怠慢だ。








