大半が老朽化原発の停止・廃止求める
県議選(十日投開票)では、東北関東大震災の福島原発事故を受けて県地域防災計画の見直しが争点のひとつに浮上している。そこで滋賀報知新聞社は、原発が集中する福井県に隣接する滋賀県の防災のあり方について、各政党の代表または幹事長に緊急アンケートを実施した。回答の要約で、議会の現有議席順。 【高山周治】
住民の避難範囲
石田・自民県連幹事長
八十キロ圏内を食物・水等の摂取による体内被曝の危険地域として避難計画に策定すべき。
出原・民主県連幹事長
(半径三十キロ、半径八十キロ、それ以上の)いずれも望ましくない。
異常事態の態様、気象条件、周辺の地形、住民の居住状況等に具体的な事態に応じて、充分に必要な避難範囲を定めるべき。
塚本・対話の会幹事長
現状で判断し難い。専門機関による見解にて起こりうる最悪の事態にて算出された距離が望ましい。
奥谷・共産県委員会委員長
八~十キロを重点範囲とする現在の対策は不十分。大量の放射線物質が放出される過酷事故を想定し、科学的な知見をいかして判断すべき。
梅村・公明県本部代表
新エネルギーなど国民的議論とともに原発に求められる安全確保について抜本的な見直しと国民への情報提供・議論とともに避難範囲をはじめとした原発施設の全体的理解が必要である。
小坂・社民県連代表
原発事故のレベルによって避難範囲は変わる。屋内退避というのも、非現実的な措置であって、避難命令を迅速的確にどの範囲までするか、その後の避難先体制も広域で樹立しておかなくてはならない。
蔦田・みんなの党支部長
今回のように三十キロ圏内まで避難勧告されると県内まで影響が及ぶ。琵琶湖に対する影響も心配される。想定外の事態にいかに対応するか、真剣に考え直さないといけない。
老朽化した原発やもんじゅ停止・廃止を求めるべきか
石田・自民県連幹事長
旧型の原発や活断層上に建設されている原子炉については、安全性により疑問が生じているため、停止や廃止の措置を求めていくことが妥当と考える。
出原・民主県連幹事長
まず県は、原子力事業者に対して、原子炉施設の安全性を充分確保することを求めるべきである。その上で、原子力事業者は国、県と協力して、県民の生命、身体、財産を保護するため必要な措置を共同で実行する体制を構築していくべき。
塚本・対話の会幹事長
停止廃止できるものなら即時でもよいが、現代社会において電気の需要は年々増すばかりで難しい。早急に第三のエネルギーを確保、開発も難しいが、ぜひ次世代のためにも一番に模索、実現し、廃止されることを望む。
奥谷・共産県委員会委員長
中止すべき。原発の安全神話から決別し、国際基準に合致し、震災の教訓もふまえた新しい安全基準をつくり福井県の原発の総点検を行う必要がある。
梅村・公明県本部代表
もんじゅはナトリウム事故から十四年経過しても解決されないことから中止または廃止されるべき。国は、古い原発施設の安全確保について耐用年数を遵守し対応すべき。
小坂・社民県連代表
実験炉もんじゅは直ちに廃止し、国内稼働中の原発をすべて直ちに点検し、古いものは停止もしくは廃止すべきである。エネルギー転換を図るときがきたといえる。
蔦田・みんなの党支部長
現時点で停止、廃止する必要はないと考える。ただし、今回の震災から見直さないといけない点は多々あろうかと思います。
今回の福島原発事故で政府は、半径二十キロ以内の住民に避難を指示し、国指針で定める、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)半径十キロを大幅に超えた。
これを滋賀県に当てはめると、半径三十キロに長浜・高島両市が入るが、国指針に基づく県地域防災計画では避難の想定外となっている。
これについて「半径八十キロ圏内を食物、水などの摂取による体内被曝の危険地域として避難計画に策定すべき」と、米国が出した避難範囲を挙げるのは石田祐介・自民県連幹事長だ。
このほかの政党の代表・幹事長も半径十キロを重点地域とする国指針に対して疑問視する。ただし、避難距離については今後の検討課題として明言を避けた。
放射能汚染も深刻だ。近畿一千万人の飲み水である琵琶湖を抱える県として、とくに老朽化した敦賀原発一号機(敦賀市)などやナトリウム漏出火災事故が発生した高速増殖原型炉「もんじゅ」(同)の「停止、廃止」の方向性で求める意見が大半を占めた。
この中で「停止・廃止」を明言した石田・自民幹事長、奥谷和美・共産県委員会委員長、小坂淑子・社民県連代表は「安全性により疑問が生じている」「エネルギー政策の転換を図るべき」などと主張した。
梅村正・公明県本部代表も「もんじゅ」は「中止または廃止」とし、敦賀原発については「耐用年数を遵守し対応すべき」と訴えた。
塚本茂樹・対話の会幹事長は現状では難しいとしながらも、将来的には「廃止されることを望む」とした。
みんなの党の蔦田恵子・滋賀第一支部長は「今回の震災から見直さないといけない点はある」とした上で、「現時点で停止、廃止する必要はない」と答えた。
出原逸三・民主県連幹事長は「安全性を充分に確保することを求めるべき」とした。
また県が関電など事業者へ要望すべきものとして、原発の総点検や安全対策(耐震、津波)の強化、情報公開、自治体への情報提供のほか、放射線量の常時計測の負担、事故発生時の事業者責任強化、設置者義務を明確にした安全協定といった意見が出た。








