「蒲生病院構想提言書」西澤東近江市長に提出
◇東近江・蒲生
蒲生地区まちづくり協議会(向井隆会長)が先月三十日、「蒲生病院構想提言書」を西澤久夫東近江市長に手渡した。同日、蒲生地区自治会連合会も全四十二自治会長の署名・押印入り「東近江市立蒲生病院の存続・整備を求める要望書」を提出した。
この提言書は、蒲生地区のまち協と自治連、老人クラブ連合会、市議会議員、有識者(開業医・商工会・民生委員児童委員ら)で構成する“地域医療(自治体病院)を考える会”が、先進地研修や住民向け説明会、地域医療フォーラムのほか、蒲生病院関係者との意見交換会も開く中で、行政任せにするのではなく住民自ら蒲生地区の地域医療の在り方について検討・協議してまとめたもの。
開業医が一つしかない地域特性から「中核病院を補完・支援する施設として、蒲生病院に六十床の入院機能を必ず残してほしい」と切望するとともに、少子高齢化社会に対応する医療・福祉・保健を複合した“(仮称)ふるさと蒲生野医療センター”を提案した。
具体的には、(1)新診療体制(▽九診療科目で外来機能の充実▽市の検診センター的機能)(2)家庭医療の設置(▽かかりつけ医の新設▽家庭医学講座の開設▽既存の鋳物師・長峰診療所の充実)(3)病院と介護老人保健施設の併設(▽中核病院の後方支援施設として亜急性期・回復期・維持期患者の受け入れ▽検査入院・終末医療・少子高齢化対応を中心とした患者の受け入れ▽東日本大震災から耐震を強化した災害医療施設の必要性)(4)新施設との併設による複合施設の形成(▽訪問介護事業所・訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所の併設▽就労支援として一時預かりを行う病児保育施設の設置)―の四項目。
向井会長は「中核病院構想については理解し始めているが、後方支援施設の姿が見えてこず、住民は不安を抱えている。財源の問題もあると思うが、もう少しゆっくり見ていただきたいとの思いもある」と、蒲生地区民の思いを代弁した。
提言内容にじっと耳を傾けた後、西澤市長は「さまざまなご議論をいただき、慎んでお受けし、今後の方向性を決める上で素材・基礎にしていきたいと思っている」と述べた上で、「根本的な問題は、予算のあるなしよりも、病院を維持するだけの医師を確保できるかどうか。座(ざ)して死を待つ一歩手前の状況にまで来ている厳しい現実を市民のみなさまにも受け止めていただき、意見を十分にうかがいながら、その中でどう乗り越えていくかを選択・決断していきたい」と強い危機意識を示して理解を求めた。






