各館の特色生かし集客図る
◇全県
県立近代美術館(大津市)と大津市歴史博物館(同)、ミホ・ミュージアム(甲賀市信楽町)の三館は、連携して展覧会や関連事業を効果的に実施し、集客を図ろうと、「神仏います近江展」実行委員会を設立した。
同委員会は「近江の文化の歴史的根幹をなす宗教文化をテーマに、性格の異なる三館が協力し、予算規模においても展示面積においても展示作品においても、県内ではこれまで実現しえなかった質と量の特別展示が実現しうる画期的な試み」としている。
公益財団法人が運営するミホ・ミュージアムは海外からの来館も多く、ミシュランの旅行案内書で三ツ星がつき、旅行シーズンになると二百か国以上の国々からホームページにアクセスがあるなど、対外広報部門で強みを持っている。
一方、県が運営する県立近代美術館と大津市が運営する大津市歴史博物館は地元に関わる圧倒的な研究の深さと、豊富な展示経験を持っている上に、地元広報の上でも強さを誇っている。
この展覧会は、このような性格の異なる三館が協力し、実行委員会方式で運営することにより、県内ではこれまで実現し得なかった質と量の特別展示が実現し得る。加えて、会場が信楽のミホ・ミュージアム、瀬田の滋賀県立近代美術館、大津の大津市歴史博物館に分散することによって、一館ごとの来館者が増加するのみではなく、三館を巡回することによる県内での宿泊や近郊社寺への参詣など、観光機会の増加を生む可能性が期待される。
なお、各会場の会期、テーマ、内容は次の通り。
▽信楽会場(ミホ・ミュージアム)= 九月三日―十二月十一日、「天台仏教への道」 近江伝来の仏像・仏画・神像などを中心に展示し、大乗仏教とともに進展する仏、菩薩の世界と、空海によってもたらされたその集大成としての両界曼茶羅の世界観、近江はもとより、わが国の後の宗教界に多大な影響をもたらした最澄、円仁、円珍らによる天台仏教の確立までの道のりを概観する。
▽瀬田会場(県立近代美術館)= 九月十七日―一月二十日、「祈りの国、近江の仏像―古代から中世へ」 近江の仏像は平安時代から延暦寺によって完成度の高い作例が近江各地に造像され、やがて天台王国とも呼ばれる近江の仏教美術の特徴を形成した。同展では平安時代から鎌倉、室町時代へと大きく社会が変化する時代、近江の仏像を中心とした仏教造形の変遷と、これを支えた地域社会とのつながりの具体相に迫る。
▽大津会場(大津市歴史博物館)= 十月八日―十一月二十三日、「日吉の神と祭」 日吉社の歴史をひも解くとともに、江戸時代の山王祭にかかわる作品を中心に、近江の人々が神々に捧げてきた祭りへの情熱の一端を紹介する。






