「被災地支援にもっと集中を」
◇全県
東北関東大震災発生から約一週間経過した十九日から、嘉田由紀子知事は、対話の会公認の立候補予定者の応援を再開した。県地震災害支援本部では休日もなく、てんてこ舞いの中、陣頭指揮をとるべき嘉田由紀子知事が選挙応援に奔走する姿に、各党から「もっと被災地支援に集中すべき」との批判が相次いでいる。 【石川政実、高山周治】
嘉田知事は十九日から二十一日の三日間、約五人の県議選立候補予定者の応援に奔走した。
十九日午前十時、守山市民ホールの学習室。同市から出馬を予定する女性の立候補予定者の集会に嘉田知事は駆けつけ、「議員が変わらないと旧態の感性で政治が行われてしまう」と訴えた。
午後は野洲市へ移動し、男性の立候補予定者の集会へ合流。当初予定していた決起集会は自粛され、防災をテーマにしたフォーラムに変更された。嘉田知事は、県の防災の取り組みをPRした。
集会を終えた嘉田知事は、あえてこの時期に県議選の応援を再開したことについて「(特定候補の集会は)生活防災を訴えるよい場であり、リスク情報を共有しないといけない」と話した。ただ他会派の立候補予定者から依頼があっても、公務多忙で応じるのは難しいという。
知事が選挙応援に奔走することについて、対話の会の清水鉄次代表は「震災の最中だけに、私も複雑な思いだ。しかし新人候補予定者は知名度がなく、知事の応援がないと厳しいのもまた事実。集会も防災をテーマにするなど配慮している」と苦しい胸の内を語る。
民主党県連の出原逸三幹事長も「嘉田知事が一人の政治家として選挙応援に行くことを決断されたものであり、外野席からとやかく言うべきではない」と擁護した。
これに対し自民党県連の石田祐介幹事長は「滋賀県の隣には福井県の原発銀座がある。早急に防災計画をチェックすべき時。県民の不安を安心、安全に変えるために、知事はもっと汗をかくべきであり、選挙応援にかまけている場合でない」と反省を促した。
みんなの党滋賀県議会第一支部の蔦田恵子支部長も「党本部から集会などは一切中止するよう指示がきており、出馬する私も従っている。県には、被災地支援でやるべきことがいっぱいある。嘉田知事の危機管理意識の薄さに失望すら感じる」と話した。
共産党県委員会の川内卓書記長は「日本中が心を一つにすべき時なのに、嘉田知事が休日を利用して特定候補を回っているが、被災地に土、日もない。被災者に何が出来るか、嘉田知事はもっと職務に集中すべき」と指摘。
公明党県本部の粉川清美副代表は「知事は生活防災を訴えるために対話の会立候補予定者の集会に駆けつけたと話しているが、むしろ知事としての大きな立場で、一般県民を対象にしたフォーラムを開くべき」と注文。
市民団体“原発を知る滋賀連絡会”の池田進事務局長は「当会が過去二度、嘉田知事に原子力防災計画の見直しを訴えたが聞き入れなかったにもかかわらず、その反省もなく選挙応援で防災を語るのは、震災を政治利用するもので、被災者に失礼だ」と憤った。








