あらためて「ワン関西」を主張
◇湖北・長浜
国が再検証を進めている高時川上流の丹生ダム(長浜市余呉町)について、嘉田由紀子滋賀県知事の呼びかけで先月二十九日、受益負担のある下流域の京都府、大阪府、兵庫県の三知事とともに行った現地視察。
「国の再検証の時間がかかりすぎている」との認識で一致した四知事だったが、さらに議論に一石を投じたのは橋下徹大阪府知事だった。
「ワン関西」を提唱する橋下知事は「今の行政の仕組みはでたらめ。ダム建設計画でも時間がたってもこの状態。(事業主体の)国は住民から遠いからプレッシャーを感じないが、我々は住民から日々プレッシャーを感じている。行政の仕組みをかえてプレッシャーのかかる問題は地方へもっていくべき」と持論を展開。
さらに、関係府県で負担調整する従来の枠組みについて、「大戸川ダム(大津市)の負担金でも大阪・京都・滋賀ですったもんだしている。早く意思決定権者を一人にしないと決まらない」と進まない問題に苛立ちを募らせた。
また、水源地の森林保全という観点からみた下流域の受益負担ついて、「大阪府民は(滋賀県の水源地保全に)感謝しないといけない。森林保全はしっかりやっていくべきだが、今の都道府県の役割では難しい。大阪府は水で確かに滋賀県のお世話になっているが、一方で大阪府は港や空港にも多大な投資をしており、滋賀県の著しい工場進出は大阪のインフラに負うところもある。こうなると、大阪はあれを出したとか、滋賀県はどうのこうのとか、議論はごちゃごちゃになる。広域のことは広域でやらないと大変なことになる」と述べ、嘉田知事との温度差がうかがえた。
なお、丹生ダム建設事業は、治水と利水を目的に昭和四十七年に琵琶湖総合開発に計上され、五十五年に事業着手した。しかし、社会情勢の変化により、下流域での工場用水の需要が減少し、利水面での計画変更に迫られ、国で再検証が進められている。水没予定の四十戸は、平成八年に移転完了している。






