琵琶湖周辺の生活文化として評価
◇湖西・高島市
国の文化審議会は二十一日、重要文化的景観として「高島市針江・霜降の水辺景観」(高島市)を選定、国史跡として「史跡紫香楽宮跡」(甲賀市)の関連遺跡を追加指定するよう、文部科学大臣に答申した。
高島市内の重要文化的景観の選定は、「海津・西浜・知内の水辺景観」に引き続き二例目。県内では三例目。
高島市新旭町針江一霜降は、安曇川下流域に拡がる扇状地の扇央部に位置する集落で、周囲には豊富な湧水を活用した水田が展開している。
集落内では湧水に端を発する大小の水路が縦横に流れ、針江大川を経て琵琶湖に注ぐ。針江大川流域・水路・水田や、湿地河口域の内湖とヨシ帯一琵琶湖が一つの水系として連続しており、豊かな生態系が育まれている。
集落の起源は少なくとも中世にさかのぼる。当時、比叡山延暦寺の荘園としてすでに広大な田地が開かれており、近世期には湿地を埋めて耕地化したことが記録されている。
集落では湧水を活用したカバタと呼ばれる独特の洗い場を多くの家庭が有しており、その水は集落内の水路を経て水田・河川・琵琶湖岸へとつながることから、水の使用については住民間で暗黙の規則が共有されてきた。
また、湧水は重要な生活上の資源として神聖視されており、湧水点では石造物などが祭られ地域住民によって維持・管理されている。近年はこうした水環境を「生水(しょうず)」と称し、地域の水環境を保全する取り組みが進められている。
また、紫香楽宮跡については、奈良時代中頃、聖武天皇が離宮を造営したことにはじまるが、天平十四年(七四二年)からわずか三年で都として役割を終えた。
今回の追加指定は、さらに遺跡の範囲が拡大することが分かり、紫香楽の構造を示す上で重要、かつ保存状態が良好な三遺跡(新宮神社遺跡、鍛冶屋敷遺跡、北黄瀬遺跡)について行うことになった。






