蒲生地区まち協が意見交換会
◇東近江・蒲生
蒲生地区まちづくり協議会(向井隆会長)主催の「市内の医療体制に関する意見交換会」が二十日、自治会長や老人会役員、地元選出の市議会議員、町長・議員経験のある有識者、まち協運営委員ら約八十人出席のもと、あかね文化ホール小ホールで開かれた。地域医療崩壊を食い止める最善策が市民には具体的に想像しがたいこともあり、約二時間半におよぶ意見交換会は強い不安感と孤立感が露呈した。
市民の命に直結する地域医療を守るため、医師不足と財政危機の二重苦を打開し、医療体制の立て直しを図ろうと、東近江市立病院等整備委員会は、整備計画案の検討を進めている。
これまでの議論で、急性期治療・二次救急を主体とした医療を提供する中核病院(十七科、三百二十床)を、平成二十五年度の開院を目指して整備する方針が固まった。
現在の協議は、二市立病院のこれからの在り方について。同委員会に提示された案では、蒲生病院を「中核病院など急性期医療機関の後方支援施設」と位置付け、診療科を六科に限定し外来診療を実施する前提で▽亜急性・回復・維持期とリハビリテーションを中心とした入院機能を残す六十床の施設▽終末期医療もしくは維持期に特化した入院機能を残す二十床の施設▽入院機能のない無床の施設―の三パターンが挙がっている。どのパターンも、築三十六年による老朽化と耐震基準を満たしていないため、建物の改築が必要となる。
意見交換会で、出席者らは開業医が一つしかない地域性から、蒲生町時代に住民の命を守る要として自治体病院を守ってきた歴史を重視し、「二十床以下は病院とは言わない」と診療所へ移行する要素があることに強い不満と危機感を表した。
「西澤久夫市長の『赤字だからといって蒲生病院をつぶすことは絶対にしない』との発言で、蒲生地区の住民は今の病院が残ると思っている。六十床の施設を残すのも危うい状況を知ったら、市民はどう受け止めるか」。理想と現実の狭間で揺れ動く市民感情が「合併してから何一ついいことがない」という疎外感に結びつく可能性を指摘。
また、地域医療を底辺から支える中核病院に関して、県・市・独立行政法人国立病院機構・滋賀医科大学の四者の協力体制や学閥を超えた医師間の連携の実現性に、疑問を抱く声もあがった。
その中で「中核病院が開院し、その姿また成果が見え、市民が安心してつながれる病院・医療体制ができるまでは、最低限、一次救急が担える六十床の蒲生病院を維持してほしい」との意見が大多数を占め、同委員会委員である田郷正・市議会議員と向井会長が今月二十七日に開かれる第四回会合で多数意見を訴えることでまとまった。
しかし、外科医一人でも大学に引き揚げてしまえば入院機能を保つことができず、現在の病院体制の維持すら困難な状況からかんがみて、時間的余裕はない。今後、住民の不安を安心へと変える具体的な政策と説明が行えるか、西澤市長の手腕が問われる。






