4年後に向け新たなスタート
◇東近江・日野町
カナダ・バンクーバー冬季五輪スキーフリースタイル女子モーグル競技に出場した日野町大窪出身の伊藤みき選手(22)=中京大四回生=が二十三日に帰郷し、同町役場正面玄関で出場報告を行った。また、昨年の壮行会で金色の千羽鶴をプレゼントしてくれた母校・日野小学校を訪問し、五、六年生の児童に自らの体験から目標に向かって一歩ずつ前進していく重要性を語り掛けた。
十七日の帰国後、初の帰郷となったみき選手を、地元住民や町職員ら約百二十人が大きな拍手とともに出迎え、日野町体育協会・外山章理事長が花束を贈呈した。
約四百人の大応援団と日野公民館で声援を送り続けた藤澤直広町長は「自らの力と技術を磨き抜き、全力を尽くす姿が大きな感動と励ましになった。いつも地元のことを気に掛けてくれるみき選手は、町民にとっても誇り。新しい目標に向かって歩んで行くと思うが、私たちはいつも応援している」と、町民の思いを代弁した。
花のように満開の笑顔を見せたみき選手は「すごくいい成績をとれたわけではないが、今の自分にとってベストの滑りができ、前回のトリノ五輪と違って大舞台で自分のベストを尽くすことに近づけたので満足できるかなと思う。スタート位置に立ったとき、たくさんののぼり旗が見え、みなさんの応援も伝わってきて、温かい気持ちでいっぱいになった。自分の一番の原動力である応援を力に変えて滑れたので、次につながるいい経験も積めた」と振り返った。
リフトで移動する十分間、頭の中を流れていたのは、昨年十二月末に開かれた壮行会で曳山囃子方交流会が演奏した祭囃子だったというみき選手。
金メダル級の応援を繰り広げた商工会青年部や地域女性団体連合会、連合青年会、伊藤三姉妹を応援する会、体育協会の関係者との懇談で「日野町でオリンピックが開催されたかと思うほど、地元応援会を祭りのように楽しんでくださったことを知り、何よりもうれしくて幸せだった。日野町に生まれて良かった」と深く感謝し、地元・双六町からの「三姉妹での五輪出場は双六町の夢でもある」との言葉掛けに、夢の舞台への思いを強くしていた。
熱狂覚めやらぬうちに町民が楽しみにするのは、四年後のロシア・ソチ冬季五輪。みき選手は「終わりは始まり。決勝を始まりの一本にしようと思って滑り、いいスタートが切れた。自分に自信がなくなる時間も多かったので、これからはバタバタと焦らず、休憩と練習の質のいい切り替えができるようになりたい。どんどん失敗も成功も経験し、自分を表現する一つとしてモーグルを通じ、たくさんの方々に恩返しができる強い選手になりたい」と力を込める。
三月六、七日には、ワールドカップ初参戦の妹・さつき選手(16)=水口東高一年=とともに猪苗代大会に出場する。さつき選手の一番のファンだと豪語するみき選手は「私よりも大けがを経験して最悪の状態を乗り越えてきたさつきが出場するのはすごくうれしい」と大喜び。コツコツと努力を続ける姉・あづさ選手(24)=中京大大学院二回生=を筆頭に、三姉妹は四年後へと続く階段をまた一段ずつ上り始めた。







