やり玉にあがった新庁舎建設 旧6町の票が勝敗分ける
◇湖北・長浜市
七日告示、十四日投開票の長浜市長選挙は、四期を目指す現職の川島信也氏(73歳)と前衆議院議員の藤井勇治氏(59歳)が、早くも激しい舌戦を繰り広げている。一市六町の合併で誕生した新市のまちづくりを託すのは、合併を推進し総仕上げを掲げる現職か、それとも新旧交代を訴える国政経験者かー。告示を目前にひかえ、両陣営の攻勢を取材した。 【高山周治】
■上滑り警戒■
先月三十日、川島氏の大集会。同氏は計画中の新市庁舎建設費について「無茶はしていない」と演説の大幅な時間を財政計画の説明に費やし、支援者に理解を求めた。豪華庁舎と批判する相手陣営を鋭くけん制したものだ。
やり玉にあげられたこの計画は、合併特例債を活用して、老朽化した長浜市役所を建て替えるもの。隣接する旧長浜病院跡地が候補地に挙げられ、現在は基本構想を煮詰めている段階だ。ちなみに市の試算では、周辺整備や土地取得費を含めて約百十五億円とされる。
また、市面積が合併で県内最大となったことが、支持の浸透を困難にしている。川島氏は、三期にわたる市長職などで旧長浜で一定の影響力をもち、保守系の市議十一人が支援についた。
しかし、旧六町では、同陣営支持とみられる前町議らは、合併に伴って失職し、市長選と併せて実施される市議増員選で身動きがとれない。
「(得票は)旧長浜で五分にもっていきたいが、あとは旧六町の票をどう固めるかがカギだ」と、同陣営の山口忠義市議は気をもむ。
これを補うのが、前湖北町長を除く五人の前町長のほか、野田藤雄県議と川島隆二県議が支援する体制である。旧町ごとに地区選対を設け、さらに小学校単位で世話人を置くなどして、票を掘り起こす。
■空中戦で戦う■
もう一方の立候補予定者である藤井氏には、保守系を中心とする市議四人と、角川誠県議が支援に回った。藤井氏は衆議院議員への返り咲きを狙っていたが、昨年十二月、南部厚志・前湖北町長と一部の市議、市民有志に市政転身を打診されて、市長選出馬を決意し、自民党を離党した。
現職と比べて出馬表明が出遅れたものの、「昨夏の衆院選の体制のまま臨めるので影響ない」(東野司市議)と強気。また、二度の衆院選出馬で、旧六町でも知名度は高い。
立ち上がりは早く、昨年暮れから宣伝カーを走らせ、本人もあいさつ回りだけでなく、ミニ集会や先月二十二日から街頭で立って政策をアピールしている。三十一日には、藤井氏がかつて秘書を務めた衆議院議員で日本遺族会会長、古賀誠氏が事務所を訪れ、市内在住の遺族会幹事(藤井氏も遺族)に支持を求めた。
また、保守分裂となった今回の選挙で、違いを鮮明に際立たせるため、藤井氏は「働き盛りの五十代」を前面に出し、「新市には新しいリーダーが必要。二十五年の国会議員の秘書経験、衆議院議員としての経験、人脈をまちづくりに生かしたい」と訴えている。
さらに得票について同陣営は「旧長浜で互角に戦い、旧六町で六対四で優勢に立てば勝機をつかめる」とにらむ。







