近江商人屋敷外村繁邸
◇東近江・五個荘
日本情緒たっぷりの涼を集めた『うちわ・扇子展』が、近江商人屋敷外村繁邸(五個荘金堂町)で開かれている。
花火やホタルの絵など、夏の風物詩でもあるうちわは、日本の美意識を凝縮した職人技であり、商いの宣伝効果を活かした商人たちの祝儀用・中元用アイテムとが融合して、趣向を凝らした作品が数多く作られた。
同展は、庶民が育てた文化をテーマに「日本の美」「職人技」を紹介しようと、日本三大団扇の京うちわ・丸亀うちわ・房州うちわを中心に、江戸時代から現代までの流れを追っており、暮らしや歴史を分かりやすく案内している。
中でも、美空ひばり、山本富士子、津島恵子、高橋秀子などの美人画うちわはプレミア付きで、手に持つ商品名にも歴史を感じさせるほか、老舗や地元商店の名前を見つけるのも面白い。
また、うちわ・扇子は縁起物でもあり、福が家に来るようにと招き寄せる特大の「掃除用うちわ」も並ぶ。
うちわの歴史は古く、中国では紀元前三世紀の周の時代、日本では奈良時代から使用され、一般に普及したのは江戸時代から。一世風靡した浮世絵や役者絵などの芸術的要素を取り入れた江戸うちわが流行したほか、台所の必需品であった柿渋うちわ、網代うちわもこの頃に登場した。
一方、扇子展では、外村宇兵衛家に伝わる第四代宇兵衛の直筆扇子が目を引き、水墨の見事な筆遣いが素晴らしい。また、三百年の伝統を誇る高島扇骨の技術の高さが伺える。
さらに今回、近江商人博物館が開催した体験講座「紋切りうちわを作って飾ろう!」の受講者作品を特別展示しており、江戸時代から親しまれてきた切り紙遊びを紹介している。
八月十六日まで。開館時間は午前九時半~午後四時半。月曜と祝日の翌日休館。外村繁邸・外村宇兵衛邸・中江準五郎邸の三館共通で大人五百円、子ども二百五十円。問い合わせは近江商人屋敷中江準五郎邸(TEL0748―48―3399)へ。






