魚のゆりかご学習
◇東近江・能登川
能登川北小学校の四年生児童二十八人がこのほど、栗見新田町自治会内の栗見新田いきいき農村(大林長保代表)らと一緒に、日枝神社御田植え祭用の神田二十アール(同町所有)にニゴロブナの親魚二十匹を放流した。翌朝には産み付けられた卵が確認でき、河川へ帰す七月上旬まで稚魚の成育観察を続ける。
通学区の四集落にそれぞれ設けられている農地水環境の「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」と連携し、県の「魚のゆりかご水田プロジェクト」を地区独自の取り組みに発展させ、同校の授業「魚のゆりかご水田学習」として開いたもので、初年度の福堂町に続いて二回目の取り組み。
かつての湖周辺の水田は、ニゴロブナやコイ、ナマズ等の産卵場としての機能も持ち、稚魚が育つまでの「ゆりかご」となっていた。また、ミジンコ→稚魚→糞→バクテリアの循環で田んぼに自然の肥料がつくられ、生物や環境に優しい農環境が築かれていたが、河川改修やほ場整備によって魚の移動経路が分断され、産卵場としての機能が失われてしまった。さらに、外来魚による食害で生息数が減り、固有種の減少という生態問題へと拡大している。
同ゆりかご水田学習は、田んぼでの産卵や稚魚の成育を観察することで農村農業(水田)が有する多面的な機能を知り、かつての有効関係を回復させようとするもので、ニゴロブナの生態と田んぼとの関わりを学んだ児童たちはさっそく、産卵・ふ化ほ場の水田へと移動。「たくさん産んでね」「頑張って大きくなるんだよ」と声を掛けながら、二十匹の親魚(雄十二匹、雌八匹)を放った。
雌一匹当たりの産卵量は一万~一万五千個とされ、産卵後約三日でふ化するという。児童らは今後、稚魚の成育状況と田んぼ周辺の生き物調査を行い、七月上旬の中干しに合わせて稚魚を捕獲、近くの大淵湖に放流する予定で、フナの成長が待ち遠しい様子。






