新兵衛さん・佐生・佐野町が合同開催「ご近所の底力」引き出そう
◇東近江・能登川
能登川地区の佐生、佐野町が協力して、認知症のお年寄りが徘徊(はいかい)によって行方不明になった―との想定で、地域住民らが情報伝達や捜索、声掛けなどをする「認知症徘徊高齢者の早期発見・保護訓練」を行った。
高齢化社会が進み「認知症」の言葉は一般に普及したものの、どのような症状か、どのように接したらよいかなど正確に理解されていないことも多い。その一方、患者は年々増加し、屋外を徘徊中に死亡、行方不明になる高齢者が全国で年間約九百人に上るなど、発見や保護に時間がかかることが原因と見られている。
そこで、認知症のケアを専門にする小規模多機能型居宅介護事業所「かじやの里の新兵衛さん」では、認知症の良き理解者を増やす一方、徘徊高齢者をいち早く保護できる「ご近所の底力」を引き出そうと、同訓練を企画したほか、近隣の佐生自治会・佐野自治会の協力を得て合同の認知症学習会を開いてきた。
この日の訓練は、同参加者を中心に作成した連絡網を使い、徘徊高齢者の早期発見、保護、声掛けの方法を学んだもので、かじやの里の新兵衛さん・佐生自治会・佐野自治会が合同で開催。両自治会員や新兵衛さんを守る会、家族会、運営推進委員をはじめ、民生児童委員、評議員、老人クラブ、自警団、日赤奉仕団ら約七十人が取り組んだ。
訓練は午前十時、かじやの里から「認知症高齢者の東太郎さん(69)=仮名=が行方不明になった」との連絡が各自治会長および同守る会代表宅に入り、不明者の特徴や服装などを参加者に伝えて捜索を開始。同地区を四つのブロックに分け、計四人の徘徊役を二人一組になって捜したほか、発見時の声かけやタイミング、通報に取り組んだ。
訓練後、かじやの里で開かれた反省会で、参加者から「発見した喜びに終わってしまって声掛けの訓練が十分にできなかった」「いきなり◯◯さんですかと話しかけてしまった」の感想が聞かれたほか、次回からの要望として「不明者の特徴が書かれた情報シート通りに探したが、上着を脱いだり、帽子が風で飛ばされたりするかもしれない。本人の顔を知らないので、写真を掲示することは出来ないだろうか」との声が上がった。
一方、徘徊役の女性からは「いきなり背後から大声で名前を呼ばれたり、大勢の人に囲まれ◯◯さんですね、と声をかけられたのは怖かった。前からゆっくりと近づき、笑顔で話し掛けるようにすれば」とアドバイスした。
また、もう一人は「認知症の人には、好きな花や木を見つけるとどんどん奥へ進んでいってしまうことがある。地区には多くの川や山があり、危険な場所へ入ってしまわないか心配。捜索する人だけでなく、そうした危険を足止めする人を配置することも必要かもしれない」と話した。






