嘉永の武者など50セット
◇東近江・五個荘
子どもたちの健やかな成長を願って、威風堂々の武者たちを並べた「商家に伝わる武者人形めぐり」が、東近江市五個荘金堂町と宮荘町の近江商人屋敷で始まり、秘蔵人形を一目見ようと多くの観光客が訪れている。
近江商人発祥の地・五個荘の商家に伝わる武者人形(五月人形)を展示する企画展で、江戸時代から昭和にかけて作られた人形約五十セットを、商人本宅である近江商人屋敷の四館(外村繁邸、外村宇兵衛邸、中江準五郎邸、藤井彦四郎邸)と、金堂まちなみ保存交流館で一斉に展示している。
繁邸では、明治時代に作られた応神天皇と旗持ちの狩り姿があり、端正な顔立ちと職人技の光る衣裳が美意識を刺激し、観る者の心をつかんでいる。
宇兵衛邸では、四代目宇兵衛伝来の「武者セット」が立ち並ぶほか、豊臣秀吉率いる本陣を再現した竹中利右衛門家のセットが目を引く。本陣は、嘉永六年(一八五三)の作で、陣幕と矢襖で囲んだ畳二畳分の広さに槍持ち武将らが構え、千成ひょうたんや陣太鼓、岩登り虎、駿馬などが飾られている。なお同邸では、鎧兜(かっちゅう)をまとう扮装体験が楽しめる(身長百六十センチ以下の人、記念写真も可)。
今回、初公開となるのは準五郎邸での武者人形。明治時代の作とされ、精悍な顔立ちの武将と髭(ひげ)を蓄えた軍師らが並ぶ珍しい中国風の作風は三国志に登場する諸葛孔明(しょかつこうめい)らを思わせる。
また、武者人形のほか、その大きさに圧巻される「鯉のぼり」も必見。明治・大正時代に流行したという和紙製の鯉のぼりは五メートル四十センチもあり、坂田金時が大鯉にまたがる大変珍しいもので、近江商人の子孫から借用した三点を、外村繁邸、宇兵衛邸、中江準五郎邸で展示している。さらに、十年ぶりに披露される宇兵衛邸の鯉のぼり(大丸特製)も紹介されている。
愛知県春日町から訪れた小川龍夫さん(75)夫妻は「人形といい、調度品といい、どれ一つ見てもすばらしく、五個荘商人の力と粋を感じる」と感嘆していた。
展示は五月二十四日まで。入館料は三館共通で大人五百円、子ども二百五十円、五館共通で大人八百円、子ども三百六十円。月曜と祝日の翌日休館。問い合わせは東近江市観光協会(TEL0748―48―2100)へ。







