校史134年、1254人巣立つ 在校生4月から山上小へ
◇東近江・永源寺
千二百五十人の子どもたちが巣立っていった市立政所小学校で十九日、統合に伴う最後の卒業式が行われ、四人の卒業生が学舎を後にした。二十九日には閉校式とお別れ会が開かれ、明治から続く百三十四年の歴史に幕を閉じる。
鈴鹿の山々と清流に囲まれた同校は、明治八年に開校。学区は政所茶や木地師発祥の地として知られ、最盛期の昭和三十四年には七つの集落に三百八十五世帯・千六百九十二人が暮らし、本校のほか茨川・杠葉尾・箕川・君ヶ畑の分校に計二百六十三人の児童が通った。しかし、林業の衰退とともに過疎化が進み、昭和四十年を境に各分校が廃校。全校児童が十三人になった昨年六月、約十キロ下流の山上小学校と統合することが決まった。
最後の卒業生は池田菜津子さん、上田周平さん、野神裕輔さん、福井柾穂さんの四人。会場いっぱいの拍手に迎えられながら、それぞれが書き留めた書「笑門来福」「一球入魂」「不屈の魂」「一期一会」の前に並び、見守り続けた保護者や先生、地域住民らに感謝の言葉を述べたあと、一人ひとりに手渡された卒業証書を手に「中学校で勉強や部活動を頑張ります」「政所小学校の最後の卒業生として誇りをもっていく」と夢を膨らませた。
八木光弘校長は式辞で「政所小学校の名前は消えますが、ここで学んだ体験や文化は永遠に消えることはなく、大きなバネにして歩んでいって欲しい」と話し、詩人・相田みつを氏の詩を引用しながら「地面に隠れて見えない根だが、幹や枝、花を支えている。その根は、きみたちのお父さんやお母さんたち、感謝の心を持ち続けてほしい。また、相手の立場に立って見つめ直す『離見』という言葉を胸に、広い心を持つ人になって」と、はなむけの言葉を送った。
このあと、在校生九人が「おんぶや肩車をしてくれた、帰り道にカバンを持ってくれたお兄さん、お姉さん、ありがとう」と思い出を語り、卒業生に歌をプレゼントした。
六年前の入学式と同様に、胸に飾った大輪の花が小さく見えるほど成長した卒業生たち。式には、乳幼児期から成長を見届けてきた保育園、幼稚園関係者らも出席し、我が子のように卒業を祝うとともに喜びと寂しさの涙に包まれた。
なお、二十九日午前九時から同校体育館で「閉校式」、同五十分から「お別れ会」(思い出のスライドショー、詩人・工藤直子氏の講演会、校歌歌碑除幕式など)が行われる。






